Give me your time(スレミク)

「なぁ、ミクリオ」
 快晴の空の下、暖かな日差しに照らされるミクリオの瞳はきらりと輝いて、声をかけたスレイの方へと真っ直ぐな視線とともに向けられる。スレイは若干緊張したいつもよりもぎこちない笑顔を浮かべ、彼もまたミクリオにまっすぐ視線を向けていた。当然のごとく二人の視線が絡み合う。
「どうしたんだい? 急に、そんな顔をして」
 首を傾げゆるくウェーブした髪の毛を揺らしながら見たままの疑問をぶつけるミクリオだったが、スレイはそれに答えない。緊張の気配をありありと映す翠色の瞳が、ほんの少しだけ不安げに揺れたがすぐにまた緊張に決意を織り交ぜた気配を全身から感じさせて自然とその場の空気もはりつめていく。
「スレイ?」
 堪え切れなくなったミクリオがもう一度疑問の声を上げると、スレイは意を決した様子で大きくひとつ息を吸い込んだ。
「長い間待たせちゃったな」
「大したことないさ」
「……大したことあるよ。ミクリオが待っていてくれて本当に嬉しかったんだ」
 一度言葉を切ると、気恥ずかしそうに一度ミクリオから視線を外してからはじめて笑って見せた。
「だから、これからは待たせた分……いやそれ以上になるようにたくさんのことをしよう。絶対後悔させないから、一緒にいる間のお前の時間をオレにください」
「……」
「えっと……ミクリオ?」
「それは、プロポーズのつもりか?」
 頬どころか耳まで真っ赤に染めながらミクリオの口から発せられる問いかけの言葉に、スレイは自分の言葉がいかに大それていて言われた通りプロポーズにも等しいものであることに気づき、やはり頬を赤く染める。互いに照れが先に立ってしまい視線を外しながらも、どちらからともなく相手の様子を伺いながら同じ行動をしていることを視界の中にみつけてたまらず笑い合う。
「ふふ。何というか……君らしいな」
「でも、嘘じゃないからな!」
「ああ、わかっているよ」
「ミクリオ、答えは?」
 問いかけるスレイの様子は、先とは打って変わってすっかり余裕を取り戻し期待に胸を膨らませ、瞳を輝かせていた。ミクリオはくるくると変わるスレイの様子に懐かしく感じつつ喜びにその目を細める。
(そんなの決まってる)
「もちろんだよ」