CoC6「街は霧に沈みゆくか」 - 6/8

3-B狂信と歪【ルートB】

あなたたちは集まった人々によって連れていかれる。
どこへ向かうのか、尋ねてみればどうやら彼らの本拠地へと向かっているらしい。
その道すがらも霧は濃く立ち込めていた。
 
どれほど歩かされただろうか。
あなたたちは畏怖を感じるほどに荘厳な建物へと連れていかれる。
街の外れにあるこの建物は、古びた見た目であまりに立ち寄る人間のいないようなものだ。
だが、建物の中に入ってみれば外見とは全く異なる真新しい一面の白が広がる。
あなたたちを捕らえた人々は一団になったまま、入り口から地下へと向かう階段を降りた。
地下に降りた廊下には扉がいくつも並ぶ。どれがどういった部屋のものなのか、判別することは難しい。
だが、あなたたち以外には勝手知ったる場所ということなのだろう。迷うこともなく一つの部屋の扉を開くと二人をそこへ押し込めた。
「救いの時間まで、ここでお待ちください」
そう告げられると、扉は閉ざされる。続いて施錠の音がした。
どうやら閉じ込められてしまったらしい。
部屋は狭すぎもしないが、決して広くもない。 
客間のようにも見受けられる。 
テーブルとソファが部屋の中央に置かれおり、端には本棚がひとつ置かれていた。だが全ては真っ白で異様な光景でもある。
 
<目星>
※KP向け:見回す、調べるといった宣言でも進行可能です。
【目星成功情報】
部屋と同じく一面白で統一された本棚の裏側の壁、少し天井に近い位置に切れ目のようなものが見える。
本棚を動かすことでそこには人間が一人通れるくらいのダクトがあることが分かるだろう。
【目星失敗情報】
この辺りに違和感を感じる。
 
ダクトの中へ入っていくと、埃っぽさはあるが汚れはそこまで溜まっていない。
建物の外見を思えば不思議だが、内装を思えば納得できるものだった。
細いダクトをしばらく進むと、少し広いダクトへと合流する。
随分と進みやすくなったダクトを風が吹く方へ向かって真っ直ぐ進んだ。
もうしばらく進む。すると、出口らしき大きな口が開いていた。
どうやら倉庫と繋がっていたらしい。
見渡す視界には雑然と荷物の置かれている薄暗い部屋が映るだろう。
ダクトのちょうど下には袋に入った荷物が山のように置かれており、降りることが出来そうだ。
 
<目星>
【目星成功情報】
周りを見渡してみると真っ白な丈の長いローブが無造作に置かれていた。
【目星失敗情報】
周りを見渡してみたが、雑然と様々な荷物が視界に入ってくる。
 
<アイデア>

※KP向け:<目星>成功時に追加で振ることができる
【アイデア成功情報】
あなたは覚えているだろう。二人を捕まえた人間たちが揃って着ていたものだ。
【アイデア失敗情報】
あなたはこのローブに見覚えがあるが、どこでみたものだったろうか。
 
倉庫の扉は建て付けが悪くなっているのか、ほんの少し隙間がある。 
ここから風が吹き込んでいたようだ。 
この隙間から外の様子を見ることもできそうだ。
隙間から確認してみると、恐らく連れてこられた時に歩いた廊下だろう場所が真っ直ぐに伸びている。
倉庫から少し離れたところを、白いローブを着た人が歩いていた。
 
状況に適していると思われる技能を使用して、一番近くの部屋へ入れるかどうかの判定が出来ます。
※KP向け:PLからの提案に対してはKP側で適しているかを判断して採用(もしくは不採用)してください。
もしPLが困っているようであれば<隠れる><忍び足><幸運>あたりを提示しても良いです。
 
【任意の技能成功】
無事に近くの部屋へ誰にも見つかることなく入る事が出来る。
【任意の技能失敗】
「誰だ」
ローブの人物があなたたちを見つける。
「迎えまで待つようにと言いませんでしたか」
そんな言葉とともにあなたたちは最初に通された部屋へと戻されてしまうだろう。
※KP向け:ローブの人物たちは探索者に危害を加えることはありません。判定に失敗するなどして見つかっても、最初の部屋に戻されるのみなので何度でも脱出を挑戦して良いです。
 
(技能成功し部屋へと入った後)
鍵のかかっていなかった部屋は、やはり真っ白な部屋だ。
しかしあなたたちが入れられた部屋よりも小さく、簡易的なテーブルとベッドのみが置かれているのみだ。
【探索可能箇所】テーブル、ベッド
【テーブル】
テーブルの上には紙が一枚置かれている。
どうやらこの場所の地図らしい。
【ベッド】
鍵と携帯端末が無造作に転がされている。どうやら忘れていってしまったようだ。
 
【探索可能箇所】鍵、携帯端末
【鍵】
アナログな印象を受ける鍵だ。大きな輪に通されているが一本しかない。
鍵の上部には「警備室」と書かれている。
【携帯端末】
情報を閲覧できる端末のようだ。
どうやら使用者がロック操作をし損ねていたらしく、内容を確認することは容易に可能だろう。
【携帯端末(内容)】
⚫︎基本行動指針
・招来の儀式は完了しています。
・儀式の像に街の人間を連れていく必要があります。
・像に人間を連れていく際には、一旦客間に通して受付を済ませてください。
・定められた予定は必ず優先してください。
⚫︎警備情報
・警備者は三十分おきに地下廊下を巡回してください。
・警備室での鍵の保管は所定の場所に行ってください。(部屋ごとのラック)
 
 
(部屋の外を確認する)
先ほども歩いていたローブの人物が離れた位置を歩いている。警備者かもしれない。
適した技能を使用して、ローブの人物を躱すことが出来ます。
違和感を持たれる事なく、警備者らしき人物を躱す事ができるだろう。
「…………」
「…………」 
別方向へ立ち去っていく。
 
無事に警備室へと辿り着くことができた。
警備室の中は先ほど立ち寄った部屋と同じく狭い。
やはり真っ白な部屋の中にはモニターが並び、それと反対側の壁には多くの鍵がかけられていた。
 
壁に取り付けられたフックに鍵の通された輪がかけられている。数字が振られており、部屋の番号を示しているようだ。
番号が振られているのは一~八だ。この廊下には倉庫を含めず十室の部屋があるため、君が倉庫から訪れた部屋と警備室を除く部屋の鍵ということになるだろう。
 
モニターは二つあり、各モニターに四つずつ八部屋の様子が映し出されている。
定点カメラらしきものから映される部屋のうち一つをのぞいた全てには、人間の姿があった。
落ち着きを払っている者、慌てふためいている者、落ち着きのない者、がっくりと項垂れている者など様々だが、あなたたちと同じくローブの人物たちに連れてこられたのだろう。
なすすべもないまま、部屋の中で過ごしている様子だ。
 
※KP情報:この部屋は室内モニタリング用の監視室のため、放送設備はない。
 
ピリリ、ピリリ……
電子音が鳴る。
端末から鳴動の音が鳴っていることがわかる。
 
画面には文字が表示されている。
【端末(通知内容)】
準備が整いました。一の部屋の人間を儀式の像のところまで連れていってください。
 
「どうぞ、救いの時間です」
扉の向こうから声がする。
「待ってください、何が起きるんですか!?」
同じく扉の向こうで声がこたえた。
どうやら問答を繰り返しているらしい。だが、やりとりは平行線だ。
少しして、多くの足音が廊下に響いてくる。
「さぁ、行きましょう。怖がることはありません」
「こちらです」
どんどん集まってくる人々の声は妙に穏やかで不気味さを感じさせた。
「嫌だ、死にたくない」
「何を言うのです、死こそ救い。ついてきていただければわかります」
少しずつ彼らの会話の声は遠ざかっていく。そして再び静寂が戻ってきた。
歯痒い思いだけをこの場に残して。