⒋美しき恐怖、寂れた場所
君たちがホールの中へと足を踏み入れると、見た目の違うことのない寂れた建物だった。
しかしそれにしては人の姿が目につく。ただ、この場が賑わっているとは言えない。
人の声が全く聴こえてこないからだ。遠くから耳馴染みのない音楽らしきものだけが、薄らと聴こえてくる。
この場の異様さにSANチェック<1/1d2>
<聞き耳>⭐︎
やってくる人々は建物の奥に向かっていく。
音楽ホールの中は造り自体は単純で、部屋が多く並んでいるのは一目瞭然だ。
【探索箇所】
入り口カウンター
【入口カウンター】
ホールがまだホールとして使用されていた頃は、入り口として使用されていただろうカウンター。
この建物のマップを確認することができる。
【探索箇所】
楽器エリア、楽屋1、楽屋2、楽屋⒊、小ホール、大ホール
<聞き耳>⭐︎
【楽器エリア】
扉を開くと大きな空間が広がっている。
どうやら楽器を保管する場所として使われていた場所のようであり、置き場になっていたらしいところには楽器を置くために使われていた台らしきものや楽器、その他にも楽器にまつわる機器がいくつも転がっている。
部屋の奥には机が置かれており、椅子もあるが人の姿は全くない。
【机】
いくつかの古びた本が置かれている。
<図書館>
その中で一冊、取り立てて古びていながら妙に開き癖の残っている本に目が止まる。
【古びた本 内容】
実体を持たない音の神は、音そのものがその存在である。
直接、魂に音楽を伝えて惹きつけるがより多くに影響を及ぼすためには、類い稀な才能に秀でている音楽家によって己の旋律を演奏させること一番のようだ。
実際の楽器で演奏された音楽を耳にすると、やはり魂を惹かれまるで自分自身ではないかのような意識の混濁が始まる。そのうちに意識は混濁に飲まれてしまい、神のために永遠に音楽を奏で続けることになるのだという。
この状況を退け、回避するための旋律もまた存在している。その旋律を正しく美しく演奏する限り神からの影響を退けられると考えられているものだ。
それは回避にとどまることなく、神を追放するに至ることも可能ともされているようだが──その方法は今、筆者の知るところではない。
<目星>
【目星成功情報】
机の隙間に紙が数枚落ちている。
【目星失敗情報】
机のあたりに何かしら違和感を感じる。
【机の紙】
紙を手に取ると、走り書きが残されている。
【机の紙 内容】
ここは音楽をする人間の墓場だ。
逃げろ。
<目星>
※KP向け:楽屋3の棚での情報を確認してから発生させることができます。
音波に作用する機器を探したいという宣言でも成功情報を提示して構いません。
【目星成功情報】
動作しそうなスピーカーセットを見つけることができる。
<聞き耳>⭐︎
【楽屋1】
ホールを使う人間が準備をするためにあてがわれたであろう部屋。
広すぎず狭すぎない部屋には、かつてはきっと綺麗に整頓されていたであろう棚や机が備え付けられている。
大抵のものは色がくすみ時間経過を感じるが、その経過の具合はさまざまであるようだ。
【棚】
すっかりボロボロになってしまっているが、そこには書類や書籍などが多くしまわれている。
<図書館>
【図書館成功情報】
棚に納められた本の中から、取り出してみると他の本と比べて綺麗なノートを見つけることができる。
開きあとのついているページには、下記のことが記載されている。
【ノート 内容】
⚫︎音楽の神について
精神に働きかけ、神のために音楽を奏でるということを人間が望むように仕向けている何かがいるように思われる。
これは誰かに限った話ではなく、ホールに集まってきた人の中にもそういう話をしていたものがいた。
自分にしてもそうだ。記憶は曖昧で気がつけばここにいたが、記憶のはっきりしているところといえば聞いたこともないような、恐ろしいほどに美しい音楽だ。
音楽に魅入られる、というのが一番適切なのかもしれない。
それとは別の音楽が聞こえた時に自分の意識が戻ってきたような気もする。
全部が確証のない憶測にはなるが、自分のとらわれた認識から考えるとやはり音楽の神が人間に干渉してきていて、神の好む音楽と好まない音楽が存在しているということは十分に考えられる。
後から自分が聴いた音楽はきっと何かの役に立つだろう。
【図書館失敗情報】
棚に納められた本に違いは見受けられず目移りしてしまう。
【机】
くたびれているが机の体裁は保っている。
紙の色が少しばかり変色した楽譜が置かれている。
<聞き耳>⭐︎
【楽屋2】
ホールを使う人間が準備をするためにあてがわれたであろう部屋。
広すぎず狭すぎない部屋には、かつてはきっと綺麗に整頓されていたであろう棚や机が備え付けられている。
大抵のものは色がくすみ時間経過を感じるが、その経過の具合はさまざまであるようだ。
【棚】
すっかりボロボロになってしまっている。特に置かれているものはない。
【机】
埃が溜まっており、ここはしばらく使われた形跡はなさそうだ。
<聞き耳>⭐︎
【楽屋3】
ホールを使う人間が準備をするためにあてがわれたであろう部屋。
広すぎず狭すぎない部屋には、かつてはきっと綺麗に整頓されていたであろう棚や机が備え付けられている。
大抵のものは色がくすみ時間経過を感じるが、その経過の具合はさまざまであるようだ。
【棚】
乱雑に束ねられた書類がしまい込まれている。
<目星>
【目星成功情報】
小さな付箋の貼られた紙を見つける。
【付箋のついた紙 内容】
神の追放について
あの形のない神は音楽にのみ影響を受ける。
特殊な音楽が強く影響をするのはもちろんだが、音楽に直接干渉することもまた有効な手段だ。
音波に作用する機器を何かしら用いることで、神の追放は可能だろう。
<アイデア>
【アイデア成功情報】
楽器エリアの奥側には多くの楽器などがあったはずだと思い至る。
【机】
付箋などが散乱している。どうやらめぼしいものはなさそうだ。
<聞き耳>⭐︎
【小ホール】
音楽が近づいてきたような感覚を覚える。
<聞き耳>⭐︎
ホールに入ってみると、こじんまりとしつつも客席とステージが配置された場所となっている。
ステージの上にも客席にも、人の姿があり動かない。
様子を窺ってみると、どこか幸せそうに各々が楽器を握りしめて演奏を続けていたりいなかったりする。
人々のあまりの異様さにSANチェック<1/1d4>
人々は例外なく虚ろな瞳で表情を変えることも、反応を示すこともない。
ただそこに身体があり、楽器があり、音楽があるというだけだ。
そこに精神や心といった類のものはないように感じられた。
【大ホール】
※KP向け:スピーカー(その他、音波に影響を与える機械)を持っていないで大ホールへ向かう宣言があった場合は、扉は開かないという処理をしてください。
少し重たい扉を開けば、目の前には誰もいない客席とステージの中央で音楽を演奏する人物が立ってるだけだ。
ステージから音楽が響く。
<聞き耳>⭐︎
ステージ上の人物はバイオリンを奏でいる。
恐ろしくも美しい旋律は何度も何度も耳に届いては、君たちを狂わそうとしているものと相違ない。
そしてしばらく続いた演奏は唐突にぷつりと途切れる。
虚ろな目はさらに虚ろに、感情の一片すらも滲むことはない。そこにはただ音楽を奏で、音楽をただ愛する。それだけの存在となってしまった人間ではなく人形がそこにはいた。
側からみるとそれは神が魂を抜いて持っていってしまったようだった。
神がこの場に確かに存在すると実感してしまったことにSANチェック<1/1d8>
音楽は響き続ける。大きく大きく広がっていくような感覚は、目に見えずとも明らかだ。
このままこの音楽を拡散させてはいけない。君たちはそう直感することだろう。
【神の追放ルール】
姿の見えない神をこの場から追放させるための判定について。
戦闘ラウンド処理の前に音楽演奏、ラウンド処理の中で音波に影響を与える機器で音楽への干渉を行うの両方を成功させることにより、神の追放を行うことができる。
双方が成功するごとにカウントし、合計3回で追放に成功とする。
・音楽演奏技能を持っている探索者(両者である場合はどちらか一人)が演奏で神からの影響を回避することができる。
→毎ラウンドはじまりで音楽演奏技能のロールを行う
・演奏を行っていない探索者は音波に影響を与える機器(スピーカー)にて音楽に干渉して神に害を与えて追放へと導くことができる。
→音楽系技能、機械系技能、幸運など
※KP向け:演奏を行わない探索者の判定ロールは音波に影響を与えられるならば提案に合わせたものを採用して問題ありません。
トルネンブラ
STR該当せず CON該当せず SIZ該当せず INT14 POW60 DEX該当なし 移動音速 耐久力60
攻撃は戦闘ラウンドの最後に自動成功で音楽攻撃ダメージ1d10
※KP向け:トルネンブラの手番となった際には<POW×5>で回避を判定してください。<回避>が不可ということではありませんので、適宜処理をしてください。
回避行動が失敗であった場合、ダメージと共にSANチェックを行なってください。
トルネンブラの存在を経験しSANチェック<1/2d10>
3回成功で終了→【エンドA】
3回成功できず終了→【エンドB】
【エンドA】
(神の追放に成功)
気配が霧散する。この場から音楽が消え去った。
君たちは音楽がもたらす世界の危機を回避したのだ。
(RP)
意思を強く持ち、心を強く持つ。
それこそが誘惑に惑わされることなく生きる術だ。
君たちはその強さゆえに惑いを振り払うことができた。
これからも君たちは未来をいくだろう。世界を彩る音楽と共に。
エンドA;不穏なる音楽は晴れて
両生還
【生還報酬】
SAN回復 1d6、<POW×5>ロール成功回数d3
クトゥルフ神話技能+1
【エンドB】
(神の追放に失敗)
気配がどんどん濃くなっていく。この場の音楽が止まらない。
世界は恐ろしくも美しい音で覆われ、君たちも塗り潰されていく。
──そうだ、彼のお方のため音楽を、奏でなければ。
その魂は舞い上がり、そして彼方へ消えていく。
そう。永遠に、宇宙の彼方。
エンドB:不穏なる音楽は永遠に
両ロスト
本シナリオは、「 株式会社アークライト 」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』の二次創作物です。
Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc. Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc. PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」
