雨は好き(45)

 雨は降られると不便だが、悪いものではない。と、壮五は思う。
 勇気の出ない自分でも、大切な人に寄り添うことが出来るのだ。それも、物理的に。
 今日も雨が降っている。そして、寄り添いたい相手は朝に傘を置いて出かけて行ったことを、壮五はよく承知していた。
 もうすぐラビチャが届くだろう。そうしたら一本の傘を持って迎えに行くのだ。
 明確な理由、またの名を言い訳の口実が出来る雨を、壮五は悪くないどころか好都合であるとすら感じていた。
 それを手放しで認めて肯定することが出来ないだけなのだ。