虚しきはその姿

不思議なものだ。
何かが少し変わるだけで、それまで気にもかけなかったものに意識が向く。
まるでそれが、それだけが害悪と言わんばかりに糾弾し出すようなことだってあるのだ。
受け取るものも声を出すものも、等しく全ては自身のフィルターを通して物事を観測する。
冷静さは個々によれど、公平性など夢物語だ。結局のところ人は自分の望む形にものを見る。
悪者にしたいものを悪に、不快に思うものに弾圧をどうしても求めずにはいられない。そういう生き物なのだろう。
不思議で、虚しく、愚かな、愛しい生き物。
それこそが人間だ。
吐き気がする。
けれどそれこそが汚くも美しい。