蓮の小話〜!

いつだったか、いい人ねと言われた。
いつだったか、いい人なんだけどねと言われた。
いずれも否定する要素はない。それは紛れもない自分への言葉だったから。
誰かはいい人であると思い、誰かはいい人ではあるも思った。それだけが事実だ。
だが実際的に自分自身で、己は薄情であると思わなくもない。
望まれたことを叶えたい、その為に個をある程度すり減らすこともやむなしと思う。だがそれは裏を返せば、そうでもしなければ誰一人自分のことを見もしないと思っているのではなかろうか。
そんなつもりはない。ないのだが。
これは他人から見るところでは薄情者のそれなのではと思えてならないのだ。
だからと言って自分の生き方が変わることはない。
そうすることもまた自分だからだ。
「俺、結構我儘なのか……?」
何となく空に向けて伸ばしてみた手を見つめながら、自分自身に問いかける。
答えなんてない。少なくとも今の自分には。
何も見えない。