珍しい姿の君へ(tnzn)

「不甲斐ない……」
 いつもよりも元気の無い掠れた炭治郎の声が、ぼそりと歯切れ悪くこぼれる。
「何言ってんの。調子悪くなることなんて誰にもあるじゃん」
「けれど、やっぱり俺の体調管理が……げほ」
 言葉もろくに紡げないまま、炭治郎は咳き込んだ。
「なっちゃったもんは仕方ないし、無理したら治るもんも治らないでしょうが! ほら、寝て!」
 善逸は口できつめの言葉を発しながらも、炭治郎の枕元に腰を下ろして心配そうに視線を向けていた。
「……うん」
 そう応えるが早いか炭治郎は、すんなりと眠りに落ちていく。そんないつもとはあまりにも違うよ割り切った炭治郎の姿に、善逸は堪らなくなった。
 布団の中かsらちらりちらりとのぞく炭治郎の手を両手でぎゅっと握り締めると、祈るように瞼を閉じる。そして念じた。

 ──俺の元気が少しでも炭治郎に伝わりますように。