「たぁんじろ!」
その呼び声は楽しげに弾みながら、炭治郎の背中から本人へと届く。楽しげな様子を感じながら、家事を終えた炭治郎はそのままくるりと振り返った。
するとすぐ目の前に善逸の顔があり、驚きに目を見開いている間に触れるだけの軽いキスが見舞われる。
「へへ、奪っちゃった。なんてな」
顔を離してすぐ善逸がへらりとゆるく笑った。それは照れくさそうでもあり、悪戯の色を帯びたものでもある。たまらなく、平和な瞬間だった。
目の眩むような平和。そんな幸せに目を細めてから炭治郎は善逸に口付ける。お返しと言わんばかりの軽く柔らかなキスを落として、炭治郎は口を開いた。
「煽ったのは善逸だからな?」
にやりと笑う炭治郎に、善逸は再び微笑む。
そして炭治郎は善逸の唇に食らいついた。
