誰かに弱いところを晒すのは命取りだ。
今までずっと、死と隣り合わせの世界の中で生きてきた。
自分を自分たらしめるもの、核や根幹と呼ばれるものはひた隠しにして、生きていくためならば自分という個を消すことすら厭わない。
生まれ出でた後の記憶もなく、曖昧な存在にはそれくらいが丁度良いとすら思っていた。
──あの日までは。
弱さは強さの裏返しだ。
弱みと言われるものは何があろうと守りたいものであり、揺るがない信念を支える存在でもある。
例え自分にとって弱点なのだとしても、同時に必要なものだ。
手にしない方がよかったなどとは当然ながら思わない。本当はそうだったとしても時は戻らないし、戻したくなんてありもしない。
明るく煌めくあたたかな火を知ることができたからこそ今がある。これは誰にも譲れない。
大切なものだから、自分の手で守り抜きたいと願う。
その存在は決して弱いものではなく背中を預けられるとも知っているが、それでもなお少し危うさのある行動に駆り立てる想いまでも含めて守りたい。
──君の存在が、俺を俺たらしめる。
これが弱さというならば、喜んで受け止めよう。
いつかのように諦めなんて抱かない。
──これが、〝俺〟だから。
