ああ、僕は──ただの化け物だ。
全てがまがいもの。
望む全てが烏滸がましく、願う全ては虚無と等しい。
記憶なんて不確かで、当たり前に存在しない。
僕はそう、何者でもなかった。
強いて言うなら、誰の手にも負えない化け物で兵器。
感情を持っていい存在なんかじゃない。
だから、だから、だから。
僕は、誰だった?
そんな問いすらもう無意味に思えた。
だって、化け物なんだから。
だって、人ではないのだから。
僕は、僕は。
僕には心もないのだろうか。
僕には何もないのだろうか。
嫌だ、いやだ、いやだいやだいやだ!
何者でもいい、僕は人間に──誰かを助けることのできる人になりたい。
なりたかった。
ねぇ、僕は。
誰にも、どこにも、必要ない生き物なんですか。
僕は、生き物、なんですか。
あんなにも絶望していた。
それなのに、今は晴れやかだ。
僕は僕、これから始まる新しい自分だと今ならそう言い切れる。
化け物かもしれない、兵器かもしれない。
それでも誰かを救いたい、誰かの助けになりたいと願った自分は嘘じゃないから。
僕のことを信じてくれて、肯定してくれる人がいる。
それだけで気持ちが穏やかに落ち着いていくような気がした。
これからもふと怖くなるときはあるんだろう。
でも大丈夫。
あのときに絶望した自分とはさよならしたから。
信じてくれた人に恥じない自分でいたいと思うし、大丈夫だと伝えてくれた人に胸を張って向き合いたいって思うから。
それだけできっと、僕は前を向いて生きていけると思うんだ。
青空を見上げた時に思ったんだ。
こんなに綺麗で、美しいと感じられる世界でなら──きっと僕は生きていける。
笑って生きていけると思うんだ。
