今回の子、吹雪くんはHOの影響もあって感情は薄めです。
でも彼には彼なりの正義や信念が朧げでも確かにあって、あとは仕事。仕事はきちんとしますってタイプ。
だから誰かを助ける、というのは割と当たり前。
けれど仕事だから、知らない人の場合は割と窮地だけ救ってパッと次行っちゃうんですよ。
そこで緋奈乃ちゃんです。
彼女は前日譚に至るまでに隣の席で言葉を交わし、吹雪くんとしては日常の象徴と捉えていた子なんですわ。
つまり、助けないわけがないしその後もついていたいという欲求が出てくるんです。
パーソナルスペースの内側に入る人間が、この前日譚の地点ではHOの指定ロイスである嚆矢くんと同卓予定の支部長と緋奈乃ちゃんだけなんですよこの人。
なので、緋奈乃ちゃんのためには結構頑張れます。
あと、前日譚で掘り下げながら思っていたのはとてつもなく感情を置き去りにしていくタイプ。
チルドレンだとあるあるだとは思いますけど、感情論はさておき解決のための行動をっていうのが明確でした。
戦闘は初めてのRCタイプで、ただただうっきうきです。
氷の塔の描写書くの楽しくて(バトル描写好き好きマンのため)白兵とは色々違って新鮮でした。
ちゃんとチャパレ作ってWEJに臨むぞ〜!これはちょっとした吹雪くんの小話。前日譚の前はこんな感じかな、というやつ。
榛葉吹雪が経験したことのない平和な日常、それが今この瞬間に彼に訪れていた。
間違いなく学校に在籍して生活するということが、吹雪にとっては非日常だ。それは間違いない。あくまで命じられたこと、そして仕事である。
だが、この学校へ転校してきてから隣の席の生徒、東雲緋奈乃が吹雪に毎日何かしら声をかけてくるのだ。最初はどうしてこんなにも声をかけてくるのだろうかと疑問を抱いたものだが、例えばそれは転校生特有の困りごとを心配したものであったり、学校という文化そのものに不慣れな吹雪の様子を察して声をかけていてくれたりと、吹雪にとって有益なものだった。
それがいつしか雑談に変わっていっても、不快と思うようなこともなくどちらかというとその言葉を交わす時間を楽しいと思って過ごしている。それが吹雪の今現在だ。
「吹雪くん」
必ず一日のうちに一度は言葉を交わす。今日はこのタイミングだ。隣の席の緋奈乃へ吹雪は視線を向ける。
「昨日、テレビをみていた時にね……」
テレビ番組の話だ。これまで吹雪は、特にテレビを見る習慣がなかったのだが彼女の話題に初めてテレビ番組のことが上がってきたときに、どんなものなのだろうかと興味を持ち、たまにはテレビを視聴するようになった。だが、今日の彼女の話題にしているテレビ番組はよく知らない。
緋奈乃がその番組でのことによくわからなかったと首を傾げている。確かに不可思議だった。いわゆる知識情報系の番組のようで、その気づきというのは不思議で面白い。
「不思議だね」
「……そうだな」
そんな他愛のない会話。これが日常というやつなんだろうと、最近思うようになった。吹雪としては、今まで経験したことのないものだったが存外心地の良いもので、自分にとって当たり前でなかったそれは誰かにとって――少なくともこの学校のクラスメイトたちにとって――当たり前の平和な日常なのだ。
こういうものも悪くはない、吹雪はそう思う。自分はこの場に仕事を帯びてやってきている、本来はここにいることも許されないだろうと思うからこそ、この今まで知りもしなかった平和というやつは大切にしたい。
こんな気持ちは初めてだった。
