その邂逅は必然だった。
それ自体は偶然だが、こうなったこと自体は必然としか思えなかった。
何となく、いつも思っていた匂いが。
何となく、いつも感じていた音が。
目の前の偶然出くわした人間から感じられたのだから。
二人は目が覚めたような感覚を抱いた。街中で見知らぬ人と思った人物と目が合った次の瞬間には、まるで全身に電気が走ったかのような衝撃を受けたからだ。
見知らぬと思った相手は、にわかには信じ難いが前世で思いを通じ合わせた者に相違ないと直感する。
「ずっと、会いたかった。知らないはずのその匂いをずっとずっと探していたんだ」
片方はそう告げて、赫灼の瞳に涙を浮かべた。
「俺だって、ずっと。何故か耳に残った、これまでに聴いたことのないような優しい音を探し続けてたんだからな」
もう片方は琥珀色の瞳から既に涙を流しながら微笑む。
「約束を、覚えているか?」
「もちろん」
問いかける声も応える声も等しく弾み、二人の弾むような楽しげな感情が聞く者に伝わった。
──さぁ、あの日の続きを始めようか。
