「鰯と柊」感想と小話

気になっていたシナリオでした。相方を引っ掴み、KPにお願いしますをした次第。

秘匿をいただいて、割とキャラクターはすんなり秘匿に合わせて作れたかなという印象でした。というか何が起こるのか全くわからないな、とりあえずネグレクト受けてたり柊の子やゆゆちゃんたちなどを中心に、肩を寄せ合って生きてきた弱者だった人間が得てしまった祈りの力(これ、絶対おかしいんだよな)で弱者ではない存在へと変わって組織を形成してる感じなのかなって思っていました。

シナリオ始まって一番最初の個別シーンが不穏すぎて、何これ?から始まりました。

どんな夢よ、正夢になるなよ?いやなりそうなんだよなぁいやだって始まりが、なんだか楽しくなっていたりもしましたね。

柊の紗伊音ちゃんと、NPCのゆゆちゃんと三人のパートはすごく微笑ましくて、というか紗伊音ちゃんとゆゆちゃんのやりとりがちょっかい掛け合ってる感じなの可愛くて好きでした。うちの鰯こと和暁はおっとりさん教祖様だったので、ニコニコしながら二人を見てましたね。何かあったら止めるけど、余程のことですそれは。

なんと言っても和暁は芸術(がまん)の持ち主ですからね。何持たせてんのほんと。

序盤は少し不穏さを感じさせる失踪事件はあっても、平和なものです。お使いがてら探索、みたいな感じでしたね。

ところで、うちの和暁と紗伊音ちゃん。一貫してシナリオ側から個別だよって言われない限り一緒にいたの、だいぶ好きでした。和暁がキャラ造形上、主体性が発揮されるのが遅効性な節があったこともあり、紗伊音ちゃんが率先してそばに居てくれるのだいぶ嬉しいし助かりました。

このシナリオはNPCさんが、クローズ寄りの割には多く登場するため一番最初の報告を兼ねたお食事の際は圧巻でしたね。すずちゃんの登場、ゆゆちゃんとのまるで同年代かよというやりとりのところはもうにっこりしました。そのにっこりがあまりにも印象深くて。

他に印象深いところというとやっぱり、ゆゆちゃんとお酒を飲むところだな。紗伊音ちゃんは何やら理由をつけて来れないよって話してて(終わってあれは人をやりにいくから一緒にいられないってことだよなってなると、なんかごめんねの気持ちがだいぶ強い)、酒に強くないうちの和暁さんとゆゆちゃんが二人でちょっと一杯飲んで……あ、やばいこれやばいわってなったものな。

なんか意識がなくなるわ、変な場所にいるかと思ったら、血みどろで自室のベッドに寝てるわ。もう、大慌てで血みどろシーツお片付けですわよ。丸めてポイ!

あとはやっぱり、お仕事をした時にSANがゴリっと削れた(ダイス)ところでしょうかね。

これはまぁ、出目の問題なので必ず教祖様がこうなるというわけでは、全く持ってないんですけど。KPにそりゃあみんな心配するよね、と言われたのは忘れられません。それは本当にそう!

祈って削れていくSAN値、そして現れる飛び込みの女の子りりちゃん。後々にこの子に殺されそうになるわけで、そして殺されたわけなんですけれども。

すごかったなぁ、という怒涛のシーンは山ほどあるわけなんですがね。りりちゃんの流れはやっぱり印象深さありますね。

割と鰯こと教祖は利用されたり、相方の柊に知らずのうちとはいえ生殺与奪の権握られてたりと、なかなかだなと思う。すごくこう、全体的に振り回されてる感じ。そもそも祈りからしてそうだよなと。

ラストのパレードのところなんて、もうほんとなんも出来ないですからね。えーんちょっとおってなりましたとも(楽しい)。

助けて貰って、パレード止めて、ほっと一息ついて、りりちゃん(発狂)に殺られるとこ、流れが私とても好きです。

色んな人に利用されてる教祖様、もちろんキャラクター性にはよるのだろうけど少なくともうちの和暁は、自罰的というかやめられない状況になっても自分が何も言えないと言うところも含めて罪人であるという認識でした。誰かを救っているけれど、この救いは正しいものではないとずっと感じていて、けれど引くに引けないというか……雁字搦めになってしまっていたんですよね。

だからどこかでほっとしていたというか、罪を償うことができたとは言わないけれどこれで許される……いや赦されるとは思ったんだろうなという。

最期のところで、振らせてもらった芸術がまんが失敗して色々と紗伊音ちゃんに語りながら全力で生きろの呪いを吐きました。実はPLとして一度やってみたかったRPでもあったので、本当に感謝しています。ありがとう、させてくれて。

和暁は他のみんなと一緒に逝きましたが、紗伊音ちゃんとすずちゃんのことを見守っていると思います。今度はきっと穏やかに。

たくさん考えましたし、相談もさせてもらったし、とても楽しいセッションをさせてもらいました。

キャラクターロストではあるのですけれど、やりきったな〜と言う気持ちですね。相方もKPも本当に本当にありがとう、感謝です。

素敵なセッションをありがとうございました。

以下は小話!※和暁ロストの時のやりとりがたまらなく好きだったのでうっすら盛り込ませてもらってます

 ──そう、これはきっと罰だったんだよね。

 薄れていく意識の中、和暁は思う。

 目の前には涙ぐんでいる紗伊音の顔があり、苦しげに歪む表情が和暁に申し訳なさを募らせた。

 彼女の手を汚させたのも、誰かを救うなどという傲慢を重ね続けた自身へのまた罰だったのではないかとすら思えてくる。

 ──みんな、僕がいなかったらもっともっと違う生き方が、出来たのかな。

 命を失った面々を想いながら、多分もう教団にいたほとんどの人間の命はないのだろうとぼんやり和暁は思考した。

 最期の胸に去来するのはやはり罪悪感。罪の意識。

 だが、それでも、自分は幸せだったとも和暁は思う。

 どれほど歪だったとしても、この結末が定められていたほどに愚かなあり方だったのだとしても、やはり教団はあたたかな家族であったことは確かだ。少なくとも和暁にとってはそうだった。

 大切な、場所だった。

 苦しくとも辛くとも、それだけは変わらない。

 ただ、普段ならば笑って大丈夫と言えることが、上手く出来ない。それは普段とは違うことだった。

「ごめんね、紗伊音」

「和暁が謝ることなんてない。謝るならあたしの方だ」

 苦しげに見上げる和暁と、涙を瞳にためた紗伊音の視線が交差する。

 紗伊音の話は和暁にとって、己の無力を証明するような話だ。彼が至らなかったと感じる部分故に、紗伊音は罪に手を染めてしまった。

 きっと誰も咎めない。きっと誰もこの先知ることはない。

 だが、だからこそ、紗伊音はこれからも苦しむのだろう。そして側に、和暁はいられない。

 ふとこれまで、頼れる友で仲間で家族だった彼女の姿がか弱く今にもぽっきりと折れてしまいそうに見える。

 こんな彼女を見るのはもしかすると初めてかもしれない。

 ──紗伊音まで死んじゃうのは、いやだな。

 和暁は心から彼女に生きてほしいと願った。

 それがいかに残酷な願いなのか、それも分かってなお受け入れ難いものだ。そもそも、和暁の祈りは彼女を助けたいというところが根幹に近いところに紐付いている。

 神様の気まぐれがなくなったからと言って、願うことを、祈ることを、やめることなど出来ようはずがない。

「ねぇ、紗伊音。僕たちの分まで、生きて? たくさんのものを、僕たちの見れなかったものを見て……?」

 その言葉は紗伊音を驚かせるに十分だったが、ゆっくりと和暁の言葉を咀嚼して彼女は頷いた。

「……それは、和暁の願いなんだよね?」

「……うん」

「分かった。ちゃんと生きて、その願いを叶えるよ」

「ありがとう」

 静かで穏やかな終わりが迫る。

 思い残すことはもうない。

 和暁の心は、どこまでも広がる空の如く晴れやかだった。