「花冷えに亡く季節」感想と小話

花冷えは知り合いたちが何人が通過をしていて、その反応から察するに私は楽しめそうな気がする……そんな気持ちで遠くから見ていたシナリオでした。
そしたらお声をかけていただいて……!みずのとさん、私のこと思い出してくれて本当にありがとうございます(どんな感謝だよ)
実は始まる前に、立ち絵を描いていただけるという段階でみずのとさんの好みを爆盛りにしているらしい(その辺の話はしたことなかったので、知らないうちの犯行です)などというおもしろ事件も発生しつつ、セッションを迎えることになりました。
今回、私がいただいたのHO1、記の方だったわけですが……記と花ってなんだろな〜って思ってました。ああ記憶と花かと思い至りはしましたけどね!
あとはセッションの合間で日記を書きながら、それは私向きだったのではないかなんて思ってました。これでも文書きの端くれだからね。
最初に白衣の男の人に質問を受けながら、これラストくらいで問いかけられそうな感じだなぁって思ったりしてたんですけど、そんなこと吹き飛ぶくらいに最初の秘匿でお!?ってなりました。
HO2の花を気に入っている……綺麗だって思ってる!?
これもう花というよりHO2……ミオくんのことめちゃくちゃに好きじゃん!って爆速理解をせずにはいられませんでしたわ。
最初から二人は相性が良かったのかな、多分言われなくても二人で行動して歩いていたんだろうなってくらい自然に一緒に行動してた気がします。微笑ましい、自陣微笑ましい!
あまりそこまで料理したりはしてこなかったらしき二人による、サンドイッチを作ろうの絵面もまた可愛らしくてたまらなかったんですけれど、ここから少しずつサナトリウムの同居者たちとご対面して、みんなかわいいねぇってなってました。
図書室でミオくんは自分の病に関するものが書かれた本がって話があったんですけど、私の連れて行ったオスカーって男は無類の本好きでして……目をキラキラ輝かせていたんですね……結局、本借りて帰ったもんね笑
図書室の時、秘匿でマリの視線についての情報があって、終わった後そりゃそうだわってなったんだけど、あれはほんと……覚えてないオスカーに対して思うところのある視線だったのよね……ごめんね友よ、全部忘れててって話。
ケイトとニコの二人でセットな感じも可愛くてとても良きだったのだけど、まぁオスカーの面白ポイントとしてはやっぱりリィですね。木に近づくときに前を歩いて行ったら石をぶつけられて……気がつけばリィと悪友みたいなムーブしてた。年相応だったなぁ笑
ペネロペからリィがどこにいるかを知らないかって尋ねられたときにも、一瞬はミオくんと言っていいのかなって顔してたけど、石ぶつけらたの癪だったものでオスカーはすごくはっきりとペネロペにリィの居場所伝えちゃって、もう大爆笑ですわよ。
それぞれとの出会いのシーンがきちんとあって、RP多めのシナリオっていうのも頷けるなと納得してましたね。
夕食はみんなで揃って食べますということなんだけど、にぎやかな食卓良い〜!
もうすぐマリは18歳になるらしく、治療が始まるという話があって翌日はそのお祝いと新しくやってきた人の歓迎も兼ねてパーティをしようと盛り上がってて、パーティ楽しみ♪な感じでしたね。
一日目だけでも盛りだくさんで、夕食の後にリビングホールのところでみんなでタロット占いしていたりもして、本当ににぎやかで楽しい場所!
お部屋のベッドの位置決めましょって話になって、存外すみっこ族のオスカーは部屋奥の左側のベッドをいただいたんですけれど、ミオくん朝弱くて……かわいいね。
どうやら服のポケットの中に小瓶が入っていて、中には花のポプリが入っていたらしい……香はとても好きなものみたいだけど……後でこれ、いつかのHO2にもらった記憶にない贈り物だったと聞いてうわーってなりました。
マリを呼んできてほしいとい言われて(どうやらオスカーに渡したいものもあるらしい)お話をしてみれば、どうやらマリにも複雑な事情と病があるらしい……そりゃあそうだ、そういう場所だものね。この時、ミオくんは本当に花だけが病なのだろうか?オスカーも自分が記憶喪失だから覚えていないだけで、何か別のものがあるのか?なんて考えてたりもしました。オスカーは聞きたがらなかったのでまぁ、特に何もなかったのですけれど。
マリから日記帳をもらったので、二日目からは夜寝る前に日記を!書きます!張り切って書きます(ガンガン打ちつけるキータイプの音)
前日に話していたパーティはみんなで頑張ってケーキを作るところから。いろんな子に頼んだり、頑張ったりしながらなんとかケーキは完成して美味しくいただくことができたんです、もうみんなかわいい!満点の可愛さでした。
夜はみんなで今度はダンス。リビングホールでケイトのピアノに合わせて踊る様子は大変微笑ましくてですね、一度は近づいた気がしたミオくんの手を追いかけてオスカーが握りしめてダンスをしたのは美しい思い出ですね。
けれどその日の晩は変な気配を感じたりするし、翌日にはマリが永遠になってるしでシナリオ動き出したわ〜!!!!!って気持ちでした。
夜に見たメイドもゾッとしちゃいましたね、こわ。
マリをはじめとしてシナリオの中で命を失っていくNPCたちは自分の意志で、永遠になる選択をしていて、実はその度にオスカーは悩んでいました。これでよかったのだろうかと、正解って何だと。ずっとずっと苦しんでいましたね。
そして出てくる日記……自分の部屋にめちゃくちゃ日記があるんだよ……これ誰の日記?オレの?って感じでしたけど。そうだったのが笑えなかったな……
永遠になるという意味を考えながら、情報を集めて少しずつこのサナトリウムで起こってきた出来事を紐解いていくわけですが、絵の中の男の子が動いてたのは何だか恐ろしいことなのにほっこりしてしまったなぁ。そういえば彼には最初にあったきりだった。
オスカーは本当に自分の記憶が失われているのだと言うことをどんどん痛感していくんですが、マリの手紙とかね……見てるとほんとごめんやでとなってしまうわけで。
子供の季節を永遠とするか、大人の時間を歩くか。これは悩ましい話です。
それでも隣にはずっとミオくんがいて、古いレコードを穏やかに聴いてみたり(いやほんとにミオくんのこと好きというか秘匿もそうだけどそれ以前に綺麗だな〜ってめちゃくちゃ思ってるんだよ)してたんですけどね……なんか雷と共にやばい気配。
手を繋いでいたはずのミオくんはいなくなっていて、本当に必死に探していましたね。すっかりミオくんのことが大好きで大切でたまらなくなってたオスカーとしては無事でいてと祈りながらの行動でした。だから見つけたら当たり前に手をとってしまいましたし、気持ち悪くないのと聞かれて目から鱗みたいな反応でどうして?って問いかけてました……だって好きなんだもの、存在が。花も含めてのミオくんと言う存在が好きなので、気持ち悪いなんて考えもしないわけです。お前やるな笑
その晩はみんなでペネロペの部屋で寝たけど、これもまた幸せ。秘匿にもこの時間が幸せでこのまま続いてほしいってきてたけど、まさしくその通りだったな。
オスカーはニコとミオくんはケイトとコミュニケーションをとった、その次の日には永遠になっちゃうんだもんなぁ。
流れ星に願い事をかける夜、素敵だったな。オスカーは何も願えなかったけれど。
その日は池の向こうへ行けるようになってることを知れたから、ボートで向こうへ行くと赤い小さな家が。
ここをオスカーは見覚えがあって、誰かに綺麗だと伝えたと……ミオくんでしょ!?って思ったらミオくんでした。ここのRP楽しかったなぁ!ミオくんの切ない告白と、ポツポツ思い出したことを話すオスカー、大切な時間でした。
けど日曜日の日付を越えることはどうやらHO1にはできないらしい、記憶がリセットされちゃう。だから記憶喪失なんだね……オスカーは悩んだけど概ね吐き出しました。誰かに、違うな、ミオくんに知って欲しかったし聞いて欲しかったんだな。
手紙を書き残して、目が覚めると記憶はもうない。目の前には知らない子の死んだ身体。うわぁってなったよね。
オスカーはこのまま18歳まで生きたけれど、ふと思い出したミオくんのことからもう生きていけないと最期の最期で永遠になる選択をしました。
ミオくんなしでは生きていけないと、オスカーはその気持ちが一番強かったです。卓内ロスト、久々に洗濯したなぁ(経験はあり)

全体的に出目が良くて、ミオくんのためなら頑張れる……そんな子でしたね、オスカーは。
たーのしかったぁ!ボイセだからドキドキしてたけれど、とっても楽しく遊べました。
KPのRPするNPCたちみんな愛しかったですし読み上げも情緒的で素敵でしたし、相方にしてくれたみずのとさんのRPは穏やかですごく切なさや儚さを感じるこちらも素敵なものでした!私はちゃんとオスカーとして頑張れたかな、頑張れたよねと思いつつ。
本当に本当に楽しかったです。
ありがとうございました〜!!!!!!!

 

 

小話(小話ってなんだ、って思わなくもないけど)というか……最期を迎えた18歳のオスカーが、16歳で永遠になったミオに走馬灯の中で会うってやつです!

「もうすぐ君は十八歳になる。おめでとう、治療が受けられるよ」
診察のときにそう告げられた。
オスカーはその言葉に「はい」とだけ答える。とてもいいことで、ありがたいことで、嬉しいこと──だと思いたかったが、そういった感慨らしいものは全くといっていいほどなかった。
記憶を喪失しているから、なのかもしれない。
とはいってもオスカー自身、診察の際にその話を聞いたに過ぎず、どのくらいの記憶を失くしているのかすら分からないのだ。
だからこそ今告げられた言葉が自分のことようには思えなかった。
診察室を後にして、オスカーは真っ直ぐ自室へと戻る。
ベッドがふたつ、机がふたつ。一人で使うには広すぎる部屋だった。同室に住む子供はいない。
がらんとした部屋で一人、オスカーは息を吐く。
オスカーはこの前の月曜日の昼前にここへやってきて暮らしているのだが、どうにも既視感のようなものがずっとついて回って気持ちが悪い。
知らないはずの場所、来たばかりのはずの場所。
思い出なんてひとつもないのに、ここにはまるで宝石のような思い出がたくさん散りばめられているような、不思議な感覚だった。
本当にここにいるのは月曜日からなのか、ここに住む子供に尋ねても皆は口を揃えて「そうだ」と言う。
「忘れている方が幸せってことなのかな……」
自分以外は誰もいない部屋でオスカーはぼそりと呟いた。もちろん答えなんて返ってくるはずもない。
苦笑を浮かべたオスカーは、部屋に入って左手の方にある机の椅子へ腰を下ろす。
二つあるが部屋には一人であるため、どちらかを使うという厳密なことはしなくても良いのだが不思議といつも同じ机を使ってしまう。その方が落ち着くのだ。
何だかとてもあたたかな気持ちになる。
机の上には誰のものなのか分からない日記帳と、先日図書室から借りてきた本が並んでいた。
この日記帳に手を伸ばす。
すると、誰かが今まで使ったこともない右手のベッドから見ているような気がした。
オスカーは反射的に振り返る。だが、当然そこには誰もいない。
『オスカー』
誰かが名前を呼んでいる気がした。
そのときふと、日記帳にあった人物のことを思い出す。
「……ミオ」
そう口にした瞬間、たくさんの光景がそして音が彼の全身を駆け巡っていった。
綺麗だと思った花、朝の挨拶ととも眠たげに目をこする仕草、伸びやかな歌声、甘いものを口に含んだ表情、一緒に紅茶を飲んだこと、嬉しそうに笑った顔、抱きしめたときのぬくもり。最期の「おやすみ」と冷たくなって動かない──ミオの姿。
いつかの一週間と、記憶の途切れた最初の朝の出来事が唐突に繋がる。繋がってしまう。
──息が苦しい、辛い。
涙が溢れて止まらなかった。
大事に想っていた人は、未来を祈り願った人は、あの日静かに永遠になっていたのだ。
オスカーが記憶を失うそのときに。
奇跡のような記憶の奔流によって、知りたくなかった現実を突きつけられる。
なんと世界は残酷なことか。
ミオの死んで欲しくはない、と言う言葉がオスカーの頭を占める。
だが記憶の回復は同時にオスカーから世界の色を奪うものだった。
「ごめんね、ミオ」
ぽつりと呟く。
そして手に取ったのは、ニコの涙でできた毒。その一欠片だった。
「キミのいない世界で、オレ……生きていけないよ」
命の消えるその瞬間は、せめて必要以上に痛い思いはしないようにと、ベッドの上へと移動する。
そんなところばかり冷静なのがどうにも滑稽に思えて、オスカーはたまらず嘲笑を浮かべた。
あの頃はよく分からなかった〝永遠になる〟意味を、やっと理解出来たように感じられる。
マリやケイト、そしてニコたちの気持ちを本当に理解出来たのかといえば分からないのだが、あの時あの瞬間の自分よりは確実に彼らに寄り添える気がした。
──あたたかくと、優しくて、ちょっと切ない。
毒を口に含み、自分という存在が終わりゆく中でもオスカーの心は穏やかだった。
いろんなところに転がる小さな謎たちが、ひとつまたひとつとオスカーの中で程なくして駆け巡る。
どうやらこれが、走馬灯というものらしい。そう認識するまでに対して時間はかからなかった。
身体は浮遊感に包まれていて、存在ごと死に向かっていようとは信じ難いほどのものだ。
だが確かにそれは事実らしくそのうち身体の力は抜け、足元はおぼつかなくなり、オスカーはベッドへと倒れ込む。
やはりベッドで毒を飲んだのは正解だった、そんなことを考えてしまうのはやはり滑稽だ。
呼吸する力も失われ、息苦しさと共に意識が遠のいていく中の全てを手放す瞬間に、オスカーの脳裏にあったのはどうにも場違いな言葉だったのだから。

 

「オスカー?」
呼ばれる声に目を開く。
目の前には日記帳と筆記用具、そして振り返ると右側のベッドにミオがいた。
「……ミオ」
訳のわからないまま、ミオの名を呼び返すと彼は小さく笑った。
十六だったあの頃、まだ少し冷たさの残る花を待つ季節。
彼らは一緒にいた。
オスカーの目の前にいるミオは、その頃のままだ。
対してオスカーの身長は少しばかり伸びていて、あの頃よりも二人に目線の差を作るかたちになっていた。
「背、伸びたね」
「うん」
穏やかな声色とその場にある空気感が、直感的に彼がミオ本人なのだとオスカーに伝えていた。
そして同時に、十六の頃にあの一週間の記憶を失った自分が見たミオの亡骸が過ぎって、オスカーは小さく息を漏らす。
「……ごめん、ごめんね」
次にオスカーの口からこぼれたのは『ごめん』という言葉だった。
苦しげに表情を歪め、目元にはうっすらと涙が滲む。
「どうかしたの?」
ベッドの上に座り込んでいるミオが、心配そうにそして悲しそうに表情を変えた。
──違う。そんな顔をさせたいんじゃない。
例え尽きる命が最期に見せる夢でしかなくとも、ミオに悲しげな顔はさせたくない。
大切な人には、幻であろうとも笑っていて欲しいものだ。
「ううん……オレ、やっぱりキミがいないとダメだったなぁって思って」
「そっか。オスカーは……」
「うん?」
「精一杯、生きられた?」
ぽつり、ぽつりと独り言のようにミオは問いかける。
少し控え目見つめてくる瞳をオスカーは受け止めると、涙を拭って微笑んだ。
「うん。オレ、ちゃんと生きたよ」
オスカーの様子にもう悲しみは感じられない。
後悔がないと言えば嘘になる。未練がないと言っても嘘になる。
それでも。
記憶がまっさらに書き換わる度、自分自身に出来る全力で生きてきたという自負が、今のオスカーには確かにあった。
だからこそ胸を張り、ミオに笑顔を向ける。
「よかった」
ミオもまたオスカーに笑顔を向けた。
二人は他愛のない話を口にする。いつかの話、こんな日もあったという話、なんでもないようなことをひたすらに語り合った。
命の終わりにこんな穏やかな夢を見られるなんて思いよらず、オスカーは最後、そして最期のその時まで幸せを感じ笑顔であり続けた。
きっとまた会える、それは無責任な確信で。取り止めのない言葉を続けてそして瞼を閉じた。
──いつかまで、おやすみ。