「デウス・エクス・マキナは死んだ」感想と小話

シナリオタイトルは聞いたことがありまして。お声かけてもらったときに、そんな機会があるとも思ってなかったものですから、マジか!と思いましたね。
なので、意気揚々とお願いしました。そして自分が選んだのはHO1カミ。
秘匿HOに記載されている「人間」と言う言葉に、これから自分の作る子は人間ではないのだなぁとしみじみ思ったことは忘れません。
ロボット、AI、もしくは神様の模造品あたりかと思っていましたね。
知識はあるが、経験はない。というところで、ムジ(無地)という名前を先に思いつきました。それを自分で自分に名前としてつけるような男の子を作ろうと思いまして、考えたのが今回の子なのです。
しかし、相方の湊くんが軽いのなんのって、好きすぎました。うちの子の目の前にきておいて、部屋のことばかり言うんですもの!後から秘匿内容を聞いてこのシーン見直すと尚のことやばいなとなりましたよw
部屋を放り出されるまでに、すっかり打ち解けましてムジっちと呼ばれてしまう始末です。可愛いな君ら。
そしてムジっちは部屋に戻れなくなってしまい、ミナトと一緒にいくことになりましたけれど……まぁ、ミナトは何かに気づくと勢いで走り出してしまうという、わけでして……ステイステイと何故かガキの形をしているムジが止めるという、見た目とは真逆の行動をしている二人が何ともいい感じのしょたおにであり、時におにショタなのです(しみじみ)
ムジと同じ顔をした子と戦ったり、喋れない子やニコニコしてるだけの子たちと関わったり、いろんな探索で情報を得るたびに……ああ、これはミナトは神じゃんってなるし、ムジは機械〜!分かる〜!となってしまい、ミナトの捕獲イベントにほらきたぁぁぁぁ!でした。それしかないですわ、全くもう。
正直、緊張のシーンのはずなんですけれど……ミナト、ちょっとずれてるというか、気が抜けちゃう感じなのよね!可愛いな!
RPでミナトに言われた、硬い体というのは本人の感覚としては信じられないものだったみたいなんだけれど、ムジは彼が言うならそうなんだろうって思っちゃってたんですよね。
基本的には人間であると相手に認めてほしいというのがHOにあったものなのですけど、その欲求自体はなんでもないミナトとのやり取りではたされてしまっているものですから……笑
彼の言葉には全幅の信頼を置いていたし、ムジに対して言っていないことはたくさんあったんだろうことは想像に難くなかったけれど、それ以上にミナトはきっと裏切らないと思えるところがありましたので。安心して、彼を助けようとする動作を起こすことができたというね!
ムジは存在を認めてくれるミナトと一緒にいたかったのです。楽しいから、一緒に笑っていたいから、彼を選んだ。ムジが求めてきた、人間という存在そのものに彼はなっていたのかなとそんな様子で言動でした。
ニャルが登場した時には、ほらみろきたぞ!という気持ちしかなくwそりゃそうだよなと。
ミナトが敬語になっちゃってるの面白くて、本当に相性が悪かったのだなぁとひしひし伝わった次第。
最後はつぐみこの出目が万死でした。駄々をこねる、という手段は与えてもらっていましたが、それも虚しくムジは庇われミナトがロストしてしまうという。
しかし彼の行為によってムジは無事に人間となったわけですね……めっちゃくちゃ多大な犠牲だったとは思うのですけれど。
健やかに生きよう、それが彼と自分のためになるのだわ。
悲しいけれど、とても楽しかったです。ありがとうございました!

ここからは小話。
1 (許可はもらった)実現できなかった肩車をしてみよう!
「ムジっち! 休憩するっすよ」
湊はあまりにも唐突にそう告げて、広場の一角にどっかりと腰を下ろす。ムジに向けて手招きをしながら、人懐こい笑顔を向けていた。
「休憩? 別に疲れてはいないけれど」
「こういうのは気持ちの問題っす。ショックなものも見たっすからね……一度気分転換しようっす」
「気分、転換……そうだね」
一度は不思議そうに首を傾げたムジだったが、湊の言葉にようやっと納得がいったらしい。すとんと湊の横に腰を下ろして、彼のことを見上げた。
「何かやってみたいこととかないっすか?」
「……どうしたの? 突然」
すっかり慣れはしたものの、突拍子もない湊の言葉には予想がつかない。実際、湊から向けられた疑問の言葉はあまりにも唐突だった。
「面白いことがあるならやってみたくなるじゃないっすか!」
それでいいのだろうか、そんなふうに思ってしまわずにはいられない。しかし同時に、これほどまでに晴れやかに言ってのける湊の言葉は、何故だか言葉通りに思わせる力があるような気がしてくるのだから不思議だ。
「……そう、かもしれないね」
「そうっすよ!」
力強い肯定の言葉は不思議とムジの中にすとんと落ちた。
「それで、やってみたいこと。ないっすか?」
改めて問いかけられてムジは静かに思案する。今まで見つめてきた多くの人間の人生、その中で気になったものは何だったろうか。
「……肩、車」
「肩車?」
「……うん。前に、見たときにすごいなって……思った、から……」
控えめに口にされたムジの要望に対して、湊は満面の笑みで応える。そしてその場に立ち上がると、そのまま勢いよくムジのことを担ぎ上げてから肩へと乗せた。
「わ、待って待って!」
ムジの静止の言葉は湊の行動を止めるには到底及ばず、体格差が歴然としていることもありされるがままになってしまう。だが、湊の肩の上からは先ほどまでと同じ場所にいるはずなのに全く違う場所にいると錯覚しそうになるような光景が広がっていた。
「……わぁ」
反射的にムジの口からは感嘆の声が漏れる。
「どうっすか?」
「すごい、ね。想像していたので全然違う……」
「やっぱり、経験するのが一番っすよ」
「うん」
ムジから湊の表情をはっきりと見ることは出来ないが、声色だけでも嬉しそうな様子が手にとるように伝わってきた。赤の他人のことにここまで喜べる彼のことが、ムジから見ればこの上なく不思議ではあったが悪い気持ちはしない。
「じゃあ、ムジっち号――出発っす!」
湊は一際楽しげな掛け声とともに、動き出す。
「だから待って! 待ってって!」
やはり湊は静止の声を聞かない。勝手に動き始めた景色は、部屋から出ては戻る中で見慣れてきた風景ではあったが、ムジにとってそれはあまりにも違う景色だった。
「大丈夫大丈夫! 慣れれば楽しいっすよ!」
「落ち着かせてって。……すごいな」
「さっきもすごいって言ってたっすね」
「うん。本当に全然違って見えるんだ。高さが違うだけ、動きが違うだけでこんなにも違うんだなって……思ってね」
紡ぎ出されるムジの言葉への返事に湊は笑う。
「そうやって、たくさん、いろんな頃を経験したらいいっすよ」
それは遠くを見るようでありながら、何かを考え込むようでもあった。

2 「拝啓、初めての友達へ」
「書き出しは、なんて書いたらいいんだろう。
ボクはいまニンゲンとして毎日を過ごしています。
何だかこうやって改まって書くと変な感じしかしないけれど……ニンゲンの記憶は無限じゃないし、忘却していってしまうものだから。忘れたくないキミに向けて手紙を書くことにしたよ。
こういう時だけはニンゲンは不便なんだなって思うけど、でもこれも含めてボクもキミも求めたんだよね。何だか不思議な気分だ。
思えば、ミナト。キミと一緒に過ごした時間はごく僅かなものだった。一瞬だったような気もするし、けれど長い時間一緒にいたような気もする。変だよね、でもこれが正直な気持ち。
初めてあった時は、正直なところ変なやつだと思った。だって、キミ、ボクの言葉に耳を貸そうともしなかっただろう? 何がしたいんだって、思ったよ。
でも、キミはずっと楽しそうにしていた。そのことはボクにとって尊敬できることだったし(いつもボクは何を見ても退屈だって思うばかりだったから)、すごいって思ったよ。
本当はずっと一緒にいられたらよかったんだけれど……ボクが不甲斐なくて、ごめんね。
守ってくれてありがとう。必死にボクのことを呼んでくれる声も、抱き込んで守ってくれた温もりも良く覚えているよ。
でも、最後は笑顔のキミが見たかったなぁ。っていうのは、ただのボクのわがままだね。
ずっとキミに感謝してる。ボクが死んでも、きっとキミに会うことはできないんだけれど……それでも、会えたらいいなと夢見るよ。
最初は自分だけ生き残ってしまったということに罪悪感も感じたし、キミともう一度会えるかもしれないと命を投げ出そうと考えたこともあったんだ。
でも、キミはそれを喜ばないだろう? だから生きると決めたんだ。
大丈夫、何とかなるよね。」
したためた言葉に彼は一言では言い表せない表情を向ける。名前を呼ぶ声がする、もう行かなければ。
「何だってやってみれば何とかなる、よね。ミナト。頑張って生きてみるよ」
そんな言葉だけを残して、彼は部屋を後にした。4