「異説・狂人日記」感想と小話

お噂は伺っているシナリオだったので、お願いして連れて行っていただいてきました!

今回の探索者は以前別のシナリオへ連れて行った精神科医がいたので、そのご先祖を連れていくことにさせていただき。何やら味わい深いものとなりました。既婚者にして子持ち。

かつての患者、十三くんからの手紙を受けて、病院を訪れることになったわけですが彼が凄まじい勢いでありながら、どうにも憎めない見捨てられないなぁって人物なのがとても良いです。物語の入り口で関わる人物は、好感度低いと萎えちゃいますからね!

一通りお話をしてみても、嗚呼この子……ってなってたわけですが、それはそれとしてここの院長先生、何となし怖さある。あと距離が近い。食えないおっちゃんですね。

そこから十三くんのご実家を訪れてお兄様とお話をしてみたり、話に聞いた場所を訪れてみたりとしていくという感じだったわけなんですけれど。

このシナリオに限らず、シナリオ作者さんの作品傾向ってクラシカルな方だと思っているんですけれど、このシナリオも例に漏れずでしたね。

家に戻ると家族団欒をさせてもらえたりもしたので、無事に平和と不穏のミルフィーユを楽しまさせていただきました。(無事に?笑)

カフェーを訪れてお話を聞いてみたり、そこから聞き出した場所を訪れてちょっと危険な体験をしてみたり、そうかと思ったら十三くんは死んでしまうし。

それでも自宅は平和なのが、救いなのか残酷なのか。いや、救いだったんだろうなぁ。

十三くんのお葬式へ参列した時は本当に、本当に、本当にやばかった。やり過ごせないのではと本気で心配しましたもの。KPにはBIG感謝です、ドキドキしましたマジで。

ラストシーンが災害というのは、なかなか今までの経験にはなかったものだったので結構な驚きがありました。

全体的に不思議な出来事に遭遇しているという印象と、不可思議に奔走しているというか突き動かされていた感じが良い体験だったなぁと改めて噛み締めました。

素敵な時間をありがとうございました!!!!!

以下は小話

『十三君

 今になってこんな手紙をしたためるなど、どんな風の吹き回しだと思うかも知れない。

 それでも君へ手紙を書かずにはいられなかった。

 君が死を選んでそれなりに時間が経ったけれど、あのとき自分がどうすべきだったのか。その答えをまだ見つけられずにいる。

 未曾有の大災害が我々を襲い、この国は多くの民を失った。

 それらがやっと落ち着いた今だからこそ、余計に思うのかも知れないね。

 君の死の是非も、そもそもあのときに何が起こっていたのかということすらも分からないままだ。

 ただ、あのときに頼ってくれたことは嬉しく思っているんだ。本当だよ。

 この出来事が君にとってどういうものであり、どういうものとして終わったのかは分からないが、少しでも君の心が軽くなっていたのならいいと思っているよ。

 君に心からの感謝を。御縁燈志』

 御縁燈志はその家族たちはようやっと落ち着いた生活を取り戻した。

 いつかの不可解な事件はすっかり過去の彼方だ。それでもたまにふと思い出すことがある。

 あれは一体、なんだったのだろう。

 それが事件直後から今に至るまで一貫した燈志の正直な気持ちだ。

 だからこそ、己の命を手放してしまったかつての患者へ手紙をしたためた。

 彼が読むなど考えられもしないし、ましてや他の誰かにこれを見せようと思うこともないだろう。

 燈志は書き終えた手紙を見下ろして苦笑した。

 一見無意味なこの行為にも、おそらく意味はある。あってくれなければ困るのだ。

 これはきっと燈志がこの先、未来に向かって生き続けるためには必要不可欠なものであったのだろう。

 区切りをつけたと言ってもいいかも知れない。

 彼は家族と毎日を生きていく。そして次の世代、さらに次の世代へと移り変わっていくことになる。

 その時に禍根が残ってしまうことのないように。そのことを燈志は願うばかりだ。

 そして、自分を頼ってくれながら死した彼が安らかであるようにと。