お誘いいただいて、遊ばせていただきました。
大分前からお声かけいただいてはいまして、満を持して遊ばせていただいた次第です。
どうやら探索者はストーキングっぽいものを受けているらしく、ぐったりしているというスタートはここからとんでもないことの始まりだぞって感じがすでに楽しくなってましたね。連れて行った探索者、ストーカーされるタイプか?ってなってたんですけど、これは納得だぜともなりましたし。
ぐったりしていたり、なんやらかんやらと日常めいたものを過ごさせていただいたわけですが……本番はここから!よーし、やってきましたよ!笑
隣にはKPCらしき方(初手から不穏に思えてならず)がいて、謎の場所へと移動してからすぐくらいの情報で直前のシーンでKPCが負ったかすり傷のようなものについて言及があり……傷は同じものがあるという内容だったんですけれど。文面的に傷〝は〟同じですよというものに思えてきてですね。
PCは性格的に疑いが先に立つところのある人間であったところもあり、疑いの視線を向けて警戒バリバリのRPをしてしまったのですが……KPにおかれましては大層楽しんでいただけたらしくてですね……これはいけるとなりました(究極のメタ読み)。
移動するとおやばいものが寄ってきたり、なぜかKPC(仮)がやたらと必死になっておやばいものや場所そのものから逃げようとするんですよね。うっさんくせぇぇぇぇぇって気持ちですよ、にっこりです本当に。
そしてついに判明する、ぬいぐるみのくまさんの中身が本物!待ってましたこの展開!
というかビジュアルが面白すぎたんですよね……PCが180越えてる身長高い系の男だったため、くまさんとの落差が楽しすぎまして笑
いろいろと考えたり逃げたり動きながら最良を探していく感じが、昔ながらのマス目ゲームを思わせて楽しかったです。
最後のところでは少々茶番をさせていただき、少し二人の関係性に対していい意味で揺らぎがあったのも楽しかったです。大盛り上がりでした。
この二人で行けて良かったなぁと、そんなふうに感じたシナリオでした。すごく楽しかったです、ありがとうございました!!!!!
以下は小話。
病院で目を覚ますというのは、すっかりお馴染みの出来事となっている。
行孝と和真が出会ってからというもの、いずれかもしくはいずれもが病院の厄介になっていることは激増していた。増加の一途なんて言葉では追いつけないほどに。しかも今回は二人揃ってという状況であり、二人は揃って真っ白なベッドの上だった。
この一件の状況を確認して、行孝としては不審かつ辟易と感じていた視線の正体についても確認してうんざりとする中で和真が控えめな声で問いかける。
「……普通に好意を向けられてたら、よかったですか?」
視線を彷徨かせる和真に対して、行孝はぼんやりと天井を見たままで口を開いた。
「そういうのは苦手」
「嫌、ではなく?」
「そこは相手による」
そうして淡々と、少しの驚きを帯びて進んだ会話に少し間を持たせたのは行孝だ。
相手によるという言葉を自身の中で反芻し、この言葉の真意を確かめる。
「無理だって思ってる人間に向けられたら嫌」
行孝の返した言葉に、和真はすぐに言葉を返せない。息を呑んで、思案をして、言葉を選んで口を開いた。
「…………無理じゃない相手だったら、」
「それ聞いてどうするの?」
「……え? あ、すみません」
選んだはずの言葉が上滑りして、踏み込みすぎた言葉となって紡がれる。こんなつもりではなかったのに。
後悔とともに焦りと、何よりも恥ずかしさが膨らんで和真は声にならない息を吐きながら顔を覆う。
「……何、急に」
そんな言葉を口にする行孝の様子も気配も声色も表情も、その全てから怪訝と感じていることが伝わった。それが和真にさらなる焦りの感情を与える。
「いえ……! なんでも、ないです……!」
必死に、必死に細かして否定した。そうしなければならないと、これ以上の醜態を晒してはならないと思った。
「……ふぅん?」
対して興味もなさそうに一度は向けた視線をまた天井へと戻した行孝のことを、横目でチラリとうかがいながら和真は思考する。
(左雨さんに好意を向ける人が居て、それを左雨さんが嫌がらなかったら…………嫌だ、なんて……)
それは和真にとってまさに今感じている真実であり、信じられないものでもあった。
(……そんな相手、いないと……勝手に思って、安心……して、た?)
さらにそんなことにまで思い至ってしまって、和真はさらに悶絶する。どうしてそんなことを思ってしまったのだろう、いやずっと思っていたのだろうか。そんなこと──。
「なんでお前、そんなに悶々としてるの?」
行孝は心底から不思議そうだ。再び和真に向けられた視線には、そんな要素があったかと問いかけてくるような気配すらある。
「……いえ、ちょっと……失礼な事考えてたんだなって、恥ずかしくなりました……」
「主語がない」
和真の歯切れの悪い返答に対して、ずばり一刀両断だった。
「僕に失礼なこと考えてたんだったら、言い直して」
行孝の切れ味抜群の言葉は続く。
「………ぅ、」
和真はきまり悪く視線を彷徨かせた。
「ほら」
視線を逸らしたまま気まずさばかりを感じている和真に対して、行孝はじっとただまっすぐに視線を向けて回答を促す。
「…………さ、左雨さんに、そういった好意を向ける人が現れると、思ってなかった、みたいで……」
「……は?」
「…………すみません」
やっとの思いで言葉を紡いだ和真だったが、それは行孝としては思いもよらなかったものでどうにも噛み合わない。
どうして和真がそんな感情を抱くのかが分からない──否、分かりはするのだ。分かるからこそ、理解が出来なかった。
「僕に好意を向ける人がいて、お前困るの?」
「え?!」
続けられた問いに対して、和真はただ驚く。行孝の問いは和真にとって 全く一つも想定していなかったものだ。こちらは本当に分かりもしない。
「…………職場の上司が誰かに好意向けられてるって、別に困る話でもなんでもないでしょ?」
「そう、……そうですよね。そう、なんですけど……あ、あれ……?」
行孝からの言及に和真は思考を巡らせる。確かにそうだ。こんなに分からない問いかけではあるが、困ることも困惑することもないはずだった。だが実際に和真は困ると感じているし、困惑を禁じ得ない。
この思考は、この思いは──。
「……ッ!」
一つの結論へ、和真の思考がたどり着く。たどり着いてしまった。
行孝は続く言葉を全く発さない和真にただ視線を向けている。言葉を待っているというよりも、反応そのものの真意を図りかねているというところだろうか。
「……俺も、左雨さんが好き、だから……」
口から思考で確かめた己の気持ちが零れ落ちた。なんの意図もなく、ただなぞる中で自然と溢れていったというような。
「……お前、ばかじゃないの」
和真が投下した言うなれば無意識の爆弾を受けて、行孝は堪らず顔背けて布団を頭まで被った。
「あっ! す、すみません……!」
行孝の様子を受けて、反射的に和真は謝罪の言葉を口にする。思考が口から零れていたことにようやく気づいた反射とも言えた。
こんな、思考より先に言葉が落ちてしまうことなど考えたこともなければ、万が一に想定してことすらない事態だ。
行孝はこの間にもただ無言を貫いている。顔を布団から見せようともしない。
「えっと……」
困惑しながら和真は隣のベッドのこんもりとした布団の方を見つめる。もちろん、布団そのものを見ている訳ではなくその中にいる行孝のことを見つめているのだが。加えて今、和真は困惑をしていた。行孝の言動も行動も、現状の和真には理解するに至れなかった。
「くだらないこと言わないでよ」
布団の中からぶっきらぼうな声が和真に向けられる。苦情というよりも不服に耐えかねて溢れた苦言のようでもあった。
「……あんな好意を向けられて辟易していたところに、こんな事言ってしまってすみませんでした」
「……別に」
神妙な様子で和真は布団の中から出てくる気配のない行孝に向けて語りかける。言葉の通りの気持ちは確かに存在していたし、自制など全く効いていない言動は浅薄なものであったという認識もあった。
「その……、仕事の事もありますし、嫌だったら……言ってください。俺も、今動揺してしまっていたので、どうにか、ちゃんとしますから」
けれど気持ちそのものが偽りということはない。全く、決して、絶対にない。それでも拒絶をされたい訳でもなければ、仕事がやりにくくなることもあってはならないと思っている。和真は行孝のことを好きと感じていて、今の日常が好ましいとはっきり感じているのだから。
「…………別に、嫌とかじゃない」
ボソリと、行孝は言う。あまりにもぶっきらぼうな調子で。
その声も、その言葉も、和真には確かに届いた。けれどそれは、まるで幻のようにすら思われて自身の耳を疑ってしまう。
「……え」
呆然としながら行孝の方へ視線を向けたとて、彼の様子が変わるわけではない。布団を被ってしまったままであるために詳細を読み取ることは出来ないということもあるのだが。
「……え?!さ、左雨さん……?!それ、って……、え?!」
否定でない言葉が口にされたという事実。否定ではないどころか、肯定的とすら感じられるニュアンスの言葉に和真は混乱する。混乱するしかない。
「和真、うるさい」
混乱の上でさらに失言をしてしまいそうな勢いの和真に対して、ぴしゃりと言い放つ。
「言葉の意味くらいちゃんと考えて」
続けられた言葉は先ほどのものの比ではないくらいに、分かりやすく肯定的な言葉だった。行孝との付き合いもそれなりの期間となって来たからこそ、なおのことそれは分かりやすく和真の中へと落ちていく。
「……ッ!」
中に落ち染み込むと同時に、照れや信じられないという思いが入り混じった衝撃が襲って来た。
そして次に思う。嬉しい、と。
「えっと……あ、ありがとうございます……」
行孝から言葉は返ってこない。ただただ無言の間がそこに存在しているだけだ。
「……と、りあえず……帰ったら事後処理ですかね……」
無言の間に耐えきれず、和真は必死に口をひらく。紡ぐ言葉は現実逃避以外の何者でもない。
「……適当に任せる」
「ふふ、わかりました」
やっといつものように言葉を交わせた、そう思う。
その後もこの場には無言の間が存在するばかりだったが、今度は先ほどの間とは違って気まずくはない。
ただ少しの気恥ずかしさと、嬉しいと感じる気持ちやどこか浮ついた感覚があった。
