二次

ジャンル雑多の二次創作小説置き場。

kmtが大半その他もあり。年齢制限はパスワード保護(個別問い合わせ対応)。

涙は嬉しい時も流れるんだよ(スレミク)

「スレイ……?」 懐かしい気配と感覚に、ミクリオは自然と声をもらす。穴から落ちかけたミクリオの身体を引き上げる右手には、懐かしい導師の紋章の意匠が施された手袋がはめられていて視覚的にも懐かしさを覚えずにはいられない。 力強い腕を使いミクリオ…

先人曰く、前進恐るに足らず(スレミク)

 古書の独特な香りが漂う、しんと静かな空気に包まれたこの場所は学校に併設された図書館だ。決して利用者は少なくなかったが、場所にふさわしい静けさは、緊張感よりも落ち着きを与えるものでこの図書館を常日頃から利用していて、今日も当たり前のように本…

交換の条件は(スレミク)

「ミクリオ、バニラソフトクリーム作ってよ」「いいけど、どうしてだい?」 スレイのなんの脈絡もなく発せられた要望に、了承しつつもその唐突さが気になってミクリオの口から疑問の言葉がこぼれた。「だって食べたいから」「全く……さすがに甘えすぎじゃな…

その存在は意義のある(スレミク)

 散歩をしよう、そう言ったのはスレイだった。道中宿をとって、部屋でくつろいでいた二人だったがスレイの目から見てミクリオの様子がいつもと違うように思えたのだ。 すっかり日も暮れてからのスレイの提案にミクリオは疑問を抱きつつも、彼の提案に同意す…

君に吸い寄せられて(スレミク)

 街を取り巻く周りはすっかり暗くなり、それを拒絶するように街が明かりを灯している。淡く橙を帯びた明かりは人々に安心感を与え、営みが確かに根付いていた。 導師一行は、そんな街のひとつに立ち寄って宿に身を寄せている。野営が続いていたこともあって…

おかえりを言える日(コーイク)

「マスター!」 鏡の檻から解き放たれたイクスは、重力に抗うことも出来ず地面に倒れ伏しそうになるが、間一髪のところでイクスと地面の間に滑り込んだコーキスが受け止めた。「ありがとう……コーキス」 脱力し全身を委ねながらイクスは、本当に小さな声で…

奪っちゃった(コーイク)

「マスター!なぁ、マスター」「ちょっと待って、コーキス……」 本棚の前で立ったまま本を開き、てこでも動かないという様子のイクスにコーキスは声をかけてみるが案の定、玉砕である。「マスター、こっち!」 イクスの頬に手を当てて強引にコーキスは、イ…

お待ちかねのご褒美を(コーイク)

 所狭しと本が並ぶ少し薄暗い書庫の中でイクスは数人で腰掛けられるような椅子にひとり座り、いつものように本を読み漁っていた。薄暗い室内になけなし程度に入り込む光は読書に充分役立ち、大所帯の喧騒から離れたまるで隔離されたかのようなこの書庫が本の…

橙射す学舎で(コーイク)

 教室は喧騒に包まれていた。それもそのはずで、今の時間は放課後しかも学生の本分たる勉学の権化、定期テストの終了を告げるチャイムが鳴ったばかりだ。「ふぅ……」 イクスはテストの終了に安堵の息をひとつ落とすと、帰り支度を整えながら歓喜にも近い喧…

聞いてほしいことがあるんだ(コーイク)

 ——絶対にマスターを取り戻す、ミリーナ様たちも守り抜いてみせる。そう思っている……いるけど…… コーキスは一人空を見上げている。その瞳には夜空が映っているはずだが、彼はそれをぼんやりと見つめるばかりで感慨もなにも抱いているとは思えない、ま…