おかえりを言える日(コーイク)
「マスター!」 鏡の檻から解き放たれたイクスは、重力に抗うことも出来ず地面に倒れ伏しそうになるが、間一髪のところでイクスと地面の間に滑り込んだコーキスが受け止めた。「ありがとう……コーキス」 脱力し全身を委ねながらイクスは、本当に小さな声で…
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奪っちゃった(コーイク)
「マスター!なぁ、マスター」「ちょっと待って、コーキス……」 本棚の前で立ったまま本を開き、てこでも動かないという様子のイクスにコーキスは声をかけてみるが案の定、玉砕である。「マスター、こっち!」 イクスの頬に手を当てて強引にコーキスは、イ…
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お待ちかねのご褒美を(コーイク)
所狭しと本が並ぶ少し薄暗い書庫の中でイクスは数人で腰掛けられるような椅子にひとり座り、いつものように本を読み漁っていた。薄暗い室内になけなし程度に入り込む光は読書に充分役立ち、大所帯の喧騒から離れたまるで隔離されたかのようなこの書庫が本の…
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橙射す学舎で(コーイク)
教室は喧騒に包まれていた。それもそのはずで、今の時間は放課後しかも学生の本分たる勉学の権化、定期テストの終了を告げるチャイムが鳴ったばかりだ。「ふぅ……」 イクスはテストの終了に安堵の息をひとつ落とすと、帰り支度を整えながら歓喜にも近い喧…
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聞いてほしいことがあるんだ(コーイク)
——絶対にマスターを取り戻す、ミリーナ様たちも守り抜いてみせる。そう思っている……いるけど…… コーキスは一人空を見上げている。その瞳には夜空が映っているはずだが、彼はそれをぼんやりと見つめるばかりで感慨もなにも抱いているとは思えない、ま…
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