ユア・インフルエンス(コーイク)
一面真っ黒で何も感じない、果てがあるのかないのか、自分が存在しているのかそれとも意識だけしかここにはないのか、何一つわからない漆黒の空間にコーキスはいる。少なくとも、コーキス自身は謎の空間に囚われていると本能的に感じていた。 目に何も映ら…
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君よ頑なな願いを貫け(コーイク)
――願い事がひとつ叶うなら、何を願う? 軽い気持ちで尋ねたのだろうその言葉は、ずっしりと重くコーキスにのしかかった。 願い事が無いわけではなかったが、それをなにかに叶えてもらうのはどうにも違うと心が訴える。もちろん軽はずみに言えることでもな…
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この身は主が為(コーイク)
目前に広がる取り立てて代わり映えのしない光景。何事も大きな出来事が起こることなく過ごせている象徴である光景をぼんやりと見つめながらコーキスは、人知れず胸に手を当ててから大きく息を吐いた。 彼のマスター、イクスの感じている尽きることのない苦…
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進むことへの重責(スレミク)
野営を決め、日も暮れたあとのことだ。あたりはすっかり暗く、松明の小さな明かりだけが頼りだった。 しかし、スレイとしてはイズチで暮らしていた頃と大して変わりはなく、それは他の仲間とて問題にはしていないようだ。それぞれ思い思いの一晩を過ごすべ…
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ユー・ニード!(スレミク)
「スレイ!」 ああ、ミクリオの声がする。けど、オレを呼んでいるその声がどんどんきこえなくなって、視界がどんどん閉じていく。声もきこえない、姿も見えない。「ミクリオ」 名前を呼んでも答えはない。何も、返ってこない。さっきまでそこに、目の前にい…
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君にだけ教えてあげる(スレミク)
「ミクリオ」 いつものように二人連れだってイズチの杜を走り回っていたときだった。ゼンライが姿を現し、ミクリオのことを呼び止める。その声に気づいたミクリオは、そのまま真っ直ぐゼンライの元へと駆け寄った。「なぁに? ジイジ」「大事な話があるから…
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今更だけど大事なこと(スレミク)
背筋を伸ばし、真っ直ぐ前を見る。眼下に広がるのは青く澄んだ空に岩壁と山肌、そして青々と生い茂る緑の樹々だ。「ミクリオ」「なんだい、スレイ」 加護によって守られた澄んだ空気を吸い込んで、スレイは小さく幼馴染みの名を呼ぶ。ミクリオはスレイの呼…
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涙は嬉しい時も流れるんだよ(スレミク)
「スレイ……?」 懐かしい気配と感覚に、ミクリオは自然と声をもらす。穴から落ちかけたミクリオの身体を引き上げる右手には、懐かしい導師の紋章の意匠が施された手袋がはめられていて視覚的にも懐かしさを覚えずにはいられない。 力強い腕を使いミクリオ…
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先人曰く、前進恐るに足らず(スレミク)
古書の独特な香りが漂う、しんと静かな空気に包まれたこの場所は学校に併設された図書館だ。決して利用者は少なくなかったが、場所にふさわしい静けさは、緊張感よりも落ち着きを与えるものでこの図書館を常日頃から利用していて、今日も当たり前のように本…
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交換の条件は(スレミク)
「ミクリオ、バニラソフトクリーム作ってよ」「いいけど、どうしてだい?」 スレイのなんの脈絡もなく発せられた要望に、了承しつつもその唐突さが気になってミクリオの口から疑問の言葉がこぼれた。「だって食べたいから」「全く……さすがに甘えすぎじゃな…
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その存在は意義のある(スレミク)
散歩をしよう、そう言ったのはスレイだった。道中宿をとって、部屋でくつろいでいた二人だったがスレイの目から見てミクリオの様子がいつもと違うように思えたのだ。 すっかり日も暮れてからのスレイの提案にミクリオは疑問を抱きつつも、彼の提案に同意す…
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君に吸い寄せられて(スレミク)
街を取り巻く周りはすっかり暗くなり、それを拒絶するように街が明かりを灯している。淡く橙を帯びた明かりは人々に安心感を与え、営みが確かに根付いていた。 導師一行は、そんな街のひとつに立ち寄って宿に身を寄せている。野営が続いていたこともあって…
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