悪戯の唇(tnzn)
「たぁんじろ!」 その呼び声は楽しげに弾みながら、炭治郎の背中から本人へと届く。楽しげな様子を感じながら、家事を終えた炭治郎はそのままくるりと振り返った。 するとすぐ目の前に善逸の顔があり、驚きに目を見開いている間に触れるだけの軽いキスが見…
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知らないふりは出来なくて(tnzn)
善逸から甘い匂いがした。 どうやら考え込んでいるのか、俺のことには気づいていない。けれど、この匂いがどんな感情から来るものかは知っている。 ──これは好意、しかも友情ではないものだ。 これまでも何度かこの香りは感じていた。けれど、こんなに…
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言わないつもりが崩れさる(tnzn)
好き、なんて言葉をまかり間違ってもかける訳には行かない。 当然だが友達として申し分なく、そこについてはまごうことなく好きだ。けれど、そういうことじゃない。 ただでさえ多くのものを背負うあいつだ。俺まで背負わせる訳にはいかないし何よりもあい…
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逢瀬を願うはずだった(tnzn)
しとしとと降り続ける雨が窓をうちつける。おそらく梅雨は明けたか明けるか、そのくらいなのだろうと思わせる天気が続いていただけに、番狂わせが起きたかのようにも感じられた。 その空模様を教室の窓から残念そうに見上げているのは善逸だ。「どうしたん…
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救うべくは(tnzn)
素早くそして重たい打撃音。そして間髪入れずに壁に何かがぶつかる音が響いた。「善逸!」 背中をしたたか打ち付けられた善逸が、炭治郎の悲鳴にも近い呼び声にぴくりとその身体を動かす。 一切の容赦のない攻撃だった。そしてその敵は、善逸を戦力と数え…
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いつも通りの(tnzn)
「たぁんじろぉ〜……」 涙を溜めながら炭治郎にしがみつく善逸の姿は、もはやいつもの光景となっていた。「おかえり、善逸」 炭治郎はしがみついてくる善逸をしっかりと受け止めながら、背中をさすってやる。 目立った怪我も特になく、泥や土埃の汚れ程度…
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神となろうとも(tnzn)
――これは契約だ。 頭の中に声が響く。目の前に確かに存在するそれは、人の形をしているだけで人ではない者なのだと思い知らされる。 ――すぐにここから立ち去り、二度とここに足を踏み入れないこと。 相変わらず頭の中で響き渡るその凛とした声が、耐…
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金色の夢(tnzn)
どうしても見て見たいものがある。 それは、生まれてこのかたずっと夢に見てきた一人の人物の姿だ。物心ついた頃から、その人物は夢枕に幾度となく立ち、ときに情けなく、ときに恥を晒し、ときに慈しみ、ときに照れくさそうに愛をくれる、そんな存在だった…
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どうして(tnzn)
「だれ?」 その問いかけは、信じられないものだった。 炭治郎の目の前に居るのは善逸で、まごうことなく我妻善逸その人で。そうであるにも関わらず、善逸に見えるその人は心底不思議という様子で炭治郎のことを見つめている。「ぜん……いつ……?」 呼ぶ…
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後天性にょたぜん(tnzn)
「なんだこれー!」 間の抜けた絶叫がこだまする。紛うことなき善逸の叫びに、炭治郎は匂いを追っていの一番に駆けつけた。「どうしたんだ! 善逸……!?」 閉ざされていた扉を開け放ちながら、炭治郎は呼びかける。そこには両胸に手を当てて、絶叫の次に…
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君を思う(mbzn)
どうして、こんなことになってしまったのか。善逸は思考する。 ただしそれは、状況を変えるためのものではない。状況から逃避するためのものだ。 知っている、世の中は悪夢なんかよりずっと酷いことが起きるのだと。だから自分は今、人質をとられてされる…
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必然ではない邂逅(tnzn)※子孫出てきます
隣街まで遊びに行こう、そう誘ってきたのは善逸からだった。炭治郎にとって善逸はひとつ上の先輩にあたるが、それを越えた友人関係を構築している。 そんな善逸からの誘いを、もちろん無碍にすることも無ければ、寧ろ嬉々としてその誘いを炭治郎は受け入れ…
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