神楽オスカー

それは幸福なる瞬間

 幸せというものは香りからも感じるものらしい。 というのも、オスカーとミオそれぞれが愛情があり、穏やかな家庭に育ったところも起因するところだろう。生活を彩る香りというものは様々なものがあるが、幸せを象徴するものたちはそのどれもが穏やかでそし…

恨みの花は共を求めて

鮮やかに咲き乱れるひまわりたちはまるで太陽のようだ。地面を太陽で埋め尽くし、光り輝くものへと変える。それはまるで、異界へと繋がる扉のようでもあった。命あるものはそこでの存在を許されず、美しいものというよりは恐るべきものというべき場所が広がっ…

六月の空は華やかに

梅雨の晴れ間が空を明るくする。お互い社会人として慌ただしくも充実した日々を送るオスカーとミオだったが、同じ家に住んでいてもどうにも生活のリズムが噛み合わない日が増えていた。それでも可能な限りは時間を合わせ、顔を合わせを繰り返してはいたのだが…

呼び声は誘惑

「少し待ってて」八雲の声が静かに響く。頼みの綱は彼一人、オスカーはただ黙って頷いた。あとはひたすら待つばかりだが、オスカーの視線は八雲に注がれている。八雲は瞼を下ろして、集中し何かを探っているらしい。その様子は緊張感を帯びながらもオスカーの…

人ならざる道を戻し

──何かに呼ばれたような気がした。誰かに手を引かれているような、背中を押されているような、そんな感覚だった。オスカーは得体の知れない何者かから招き寄せられるようにして道を歩いていく。この道を、オスカーは知らない。全く、知らない。知らないはず…

錆びた命 オスカーは

オスカーはミオくんの前で泣いたことどころか、子供の時以来に泣いたんじゃないかな基本的に感情はたくさん動くけど感動は涙にならない方だと思うし、なまじ出来てしまう子だから泣くほど悔しいなんてこともないと思う。だからきっと、こんなにも立ち行かない…

バレンタインデーの小話

ちょっと長め!世の中は浮き足立っている。街中はハートとチョコレートの甘い香り、そして少し落ち着きのない人々の喧騒。そんな中、オスカーは一人憂鬱を抱えていた。毎年この時期になると、どうしても憂鬱を感じてしまう。それはこの時期のイベント〝バレン…

錆びた命 序盤のオスカー

自分で選んだとはいえ、こんなことしてよかったんだろうかって思ってる。だって平行世界の自分から、最初は一目会いたかっただけにしても結果論では間違いなく大切な存在であるミオくん奪おうとしてるんだもん。それでも、辛くて、苦しくて、悲しくて。だから…

もしもの話

ミオくん吸血鬼でオスカー人間の時は間違いなく首元晒して差し出す。花冷えでも話聞いてたら自分の身を差し出したのは間違いないからな……!頭撫でるはするでしょうね……うん、するわ。逆のパターンだと少なくとも最初は貰おうとしない。フラフラしてても耐…