依頼文

嫌悪と献身の間にて

いつからだったろうか。僕が、こんな体質になったのは。いつからだったろうか。僕が、このことに嫌悪するようになったのは。いつからだったろうか。この行為に絶望を抱いたのは。いつからだったろうか。いつまで続くだろうか。一生このままなのだろうか。僕は…

神の来る社のもとに生まれし者たち

幼い頃、憧れたことが賀九にはあった。遠くに見るだけの存在である兄、八雲と言葉を交わして兄弟らしいことを何かしらしてみたい。普通であれば当たり前に叶う、ささやかな憧れだった。だが、彼らが生まれた神来社家は普通ではない。賀九のそんなささやかな憧…

それは幸福なる瞬間

 幸せというものは香りからも感じるものらしい。 というのも、オスカーとミオそれぞれが愛情があり、穏やかな家庭に育ったところも起因するところだろう。生活を彩る香りというものは様々なものがあるが、幸せを象徴するものたちはそのどれもが穏やかでそし…

紺桔梗と丹が交差する先では

夜は静かだというのは幻想だ。もちろん人によって変わるところはあり、静かに感じる者も静かに感じない者もいる。ここに肩を並べて歩く二人は、まさしくその二分された存在のそれぞれだ。片や夜に静けさを覚えることのない神来社八雲、片や夜は静かだと感じて…

不協和音の協和音

白髪の男は今回、合同で任務にあたれと指示を受けて連れて来られた男に対して、あからさまに不服そうな表情を向けた。不服そうな視線を向けられている黒髪の男の方は、そんな視線を気にかける様子ひとつなく通された場所をぐるりと興味深そうに見渡している。…