「しょうがねぇ」
「寂しい」
そーちゃんが言った。小さい声でもよく分かる。
きっと言ったことにも気づいてない。それくらい無意識の言葉なんだろう。
これまではこんなこともなくて、そーちゃんが寂しがってるのに少し嬉しいと思ったりもする。
いや、違くて。
こういうの見せてくれるようになったのが嬉しくて。
「そーちゃん」
だから、たまらなく好きと思って。
「やっぱ、あんたはしょうがねぇな」
つい笑うんだ。
「しょうがない」
正直に気持ちを吐露するというのは、どうにも苦手だ。泣くのも最近までろくに出来なかった。
僕は溜め込んで、我慢して、笑ってしまうたちらしい。そう気づいたのはつい最近だ。
それでもたまに思う。
「寂しい」
と。
「そーちゃん」
「どうしたんだい? 環くん」
どうしてだろう、環くんが呆れたような顔をしてる。これは、しょうがないと笑う前の顔だろうか。
「やっぱ、あんたはしょうがねぇな」
予想した通りに環くんは笑った。
