「ねぇ、今から花見に行こうよ」
そう言ったのはオスカーだった。
休日の昼下がり、せっかく二人で過ごせる休日をどうするかと話す中での提案。
外に目を向けると桜はまさしく見頃を迎え花見日和の続く、そんな中で紡がれた誘い文句にミオの表情は華やいだ。
「うん。行きたい」
「決まり! じゃあ、行こ?」
オスカーはソファから先んじて立ち上がると、ミオに笑いかけながら手を差し出す。その手を微笑みながら取ったミオが、今度はソファから立ち上がった。
身支度を整えるとそのまま二人で、自宅を出て歩き出す。
向かうは近場の桜並木だ。道すがら、既に漂う春の気配はオスカーとミオに明確な期待を抱かせる。
すっかり過ごしやすくなった気温、そよぐ風の柔らかさ、ほんのりと香る花の香り。
それらに導かれるようにして道を歩いていけば、桜並木の入口が二人を迎えていた。
混雑という程でもないがそれなりの人で賑わい、並木道から少し離れたところでは地面にシートを引いて食事や酒を楽しむ人々の賑やかな声が耳に届く。
「すごいね」
ミオは並木道と近場の人々を見回して笑った。
「花見したいのはみんな一緒だもんね」
オスカーは笑顔を返しながらミオの手を引き、並木道の入口へと進んでいく。
並木道の桜たちはアーチのようになっていて、訪れる人々を等しく出迎えた。柔らかな風にのってふわりと花びらが運ばれ、宙を舞う。
司会は桜色で埋め尽くされる圧巻の光景は、オスカーとミオをただ嘆息させた。
ふと、花びらの一枚がミオの髪の毛に舞い降りる。
その様子にオスカーは小さく微笑んだ。
「どうしたの? オスカー」
ミオの問いかけに対してオスカーは花びらを掴んだあとに言葉を返す。
「うん? 綺麗だなって思って」
花びらのことか、それとも桜のことか。そんな含みも思ってしまうような言葉ではあるが、オスカー視線はまっすぐにミオへ向けられている。
──何より綺麗なのはキミだよ。
まるでそう告げているかのように。
そう言ったのはオスカーだった。
休日の昼下がり、せっかく二人で過ごせる休日をどうするかと話す中での提案。
外に目を向けると桜はまさしく見頃を迎え花見日和の続く、そんな中で紡がれた誘い文句にミオの表情は華やいだ。
「うん。行きたい」
「決まり! じゃあ、行こ?」
オスカーはソファから先んじて立ち上がると、ミオに笑いかけながら手を差し出す。その手を微笑みながら取ったミオが、今度はソファから立ち上がった。
身支度を整えるとそのまま二人で、自宅を出て歩き出す。
向かうは近場の桜並木だ。道すがら、既に漂う春の気配はオスカーとミオに明確な期待を抱かせる。
すっかり過ごしやすくなった気温、そよぐ風の柔らかさ、ほんのりと香る花の香り。
それらに導かれるようにして道を歩いていけば、桜並木の入口が二人を迎えていた。
混雑という程でもないがそれなりの人で賑わい、並木道から少し離れたところでは地面にシートを引いて食事や酒を楽しむ人々の賑やかな声が耳に届く。
「すごいね」
ミオは並木道と近場の人々を見回して笑った。
「花見したいのはみんな一緒だもんね」
オスカーは笑顔を返しながらミオの手を引き、並木道の入口へと進んでいく。
並木道の桜たちはアーチのようになっていて、訪れる人々を等しく出迎えた。柔らかな風にのってふわりと花びらが運ばれ、宙を舞う。
司会は桜色で埋め尽くされる圧巻の光景は、オスカーとミオをただ嘆息させた。
ふと、花びらの一枚がミオの髪の毛に舞い降りる。
その様子にオスカーは小さく微笑んだ。
「どうしたの? オスカー」
ミオの問いかけに対してオスカーは花びらを掴んだあとに言葉を返す。
「うん? 綺麗だなって思って」
花びらのことか、それとも桜のことか。そんな含みも思ってしまうような言葉ではあるが、オスカー視線はまっすぐにミオへ向けられている。
──何より綺麗なのはキミだよ。
まるでそう告げているかのように。
