「ムーンレスナイト 2話」感想と小話

少しずつ絆が育まれているのが最高だなと思う2話です。
アキくんとトキくんがすっかり仲良くなって、下の名前で呼びあったりするようになっているのは本当にいいことです、にっこりです。
アキくん的な前半の山場はなんと言っても、若菜ちゃんを守ろう大作戦!
このままだと彼女はきっとつかまってしまう、それがわかっていて黙っていられるアキくんではないのです!(だってこの人、自分より他人って人ですので!自己犠牲の上で誰かを助けたいという欲求が強いもの!)
しかし、若菜ちゃんを捕まえようと手は迫りますし、振り払えずに悶々。そこでいろいろと皆様にご協力、ご提案をいただきまして、アキくんの選択は若菜ちゃんをお姫様抱っこして逃げる!でした。
いやこれ最高では?って思いましたわ。割と立ち絵が細身かつ儚いタイプの、可哀想〜って雰囲気強い子なので、そんな彼が女の子をお姫様抱っこして全力疾走するなんてのは、大層なギャップ萌えポイントなのです。
いや、最高なんですよねぇ!という気持ち。
そこから同級生組が仲良くしたり、胸熱展開が続きまして。いいんですよね、アキくんトキくんコンビで情報収集行った時なんてもう、トキくん最高すぎて見守ってしまいましたもの。(情報収集しなさいよってツッコミは受け付けます)
それはそれとしてクライマックスの衝動判定に失敗いたしまして……まさかのアキくん、操られて使われてしまった……!衝動判定〜〜〜〜〜〜!!!!!天を仰ぎましたとも、仲間をぶん殴りあまつさえ殺してしまうという、彼の人を守りたい行動理念とは正反対なものでして、最高ですね(お前)
トラウマ刻んでいってほしいのですよ、最高です(また言う)
衝動判定失敗したので、暴走したんですけどそれを解除するときに、とてつもなくエモい演出をGMにしていただきまして^^
アキくんは1話のときに七海弓花ちゃんにもう惚れちゃってるわけなんですけども、彼女の声が聞こえてくるんですよね。そりゃあもう、立ち上がるしかないやないですか!惚れた女の声ですよ!(大声)
いやあ、最高にエモかったですね。その後の攻撃判定でドッジ成功されちゃったんであれですけどw
無事に今回も生還できました、嬉しい。
まさかの瀬名方くん(クライマックスで戦ったシナリオボス)とにこやかにおしゃべりするエンディングを迎えるとは思いもしませんでした。
アキくんも、私もですw楽しい毎日を送れているのだなぁ、と嬉しくなりました。3話も楽しみだなぁ!

これはアキ、トキ、若菜が奥様宅に匿ってもらった時の小話です。
「楽しい隠伏生活!」

何だろう、不思議な高揚感――と評するのが正しいのかは判断しかねるもの――に包まれながら、暁彦は時臣と若菜と連れ立ってひっそりと街を歩く。
暁彦と若菜については顔を見えにくくするという徹底ぶりだが、用心に越したことはなく二人の先日の経験から鑑みても対応は相応と言えた。時臣は迷いなく道を進んでいく。いつも通りのことではある、そして今向かっているのはその彼の家だ。大丈夫だ、と思う気持ちと万が一という思いがせめぎ合う。
さすがに家には帰れる、とは時臣の言葉だがいつもの彼の抜群の迷子ぶりを暁彦も若菜もよく承知しているが故に不安を拭い去ることができない。
「ねぇ、アキ」
こそこそと若菜が暁彦に声をかける。暁彦は彼女の方へ視線を向けると、ほんの少しだけ首を傾げた。
「大丈夫かな?」
「さすがに大丈夫……と信じたいね」
不安と心配の混ざり合った表情は、暁彦にとって共感出来るものだ。主語がなくとも一抹の不安は二人の間で確かに共有されていた。
「ほら、着いたぞ」
二人の心配をよそに、時臣はいつもと変わらぬ様子でぼそりとつぶやく。時臣の部屋、彼の住む場所なのだから、すんなり帰ってくることは当然のことだ。だが、やはりどこかで不安が拭いきれなかったのは、時臣の群を抜いた方向音痴が二人の見ている限りひたすらに炸裂していたからに他ならない。
そんなこんなもあって、無事辿り着けたことに暁彦と若菜は心底安堵する。その表情を見て時臣は〝解せない〟という表情を浮かべていた。
「こんなもんでいけるか?」
「うん、大丈夫」
時臣が自身の分と、暁彦に貸すための服を引っ張り出している。若菜はというと、すっかり手持ちぶさたな様子で時臣の部屋をぐるりと見て回っていた。
「若菜、行くぞ」
「終わったの?」
「うん。待たせてごめんね」
若菜の問いに二人で応えて、時臣がまた先頭を歩き始める。しかし、それを暁彦が止めた。
「ここからは僕が前を歩くよ。地図もらったし」
端末に送ってもらった地図を示しながら、にこりと笑う。
「よし、アキ。任せた!」
若菜がばんっと暁彦の背中を叩いて前に押し出した。そのまま暁彦は真っ直ぐに歩き始める。地図の通り、確実に。若菜と時臣はその後ろから着いてきていて、少し離れている春日井陽香の家を目指す。時折立ち止まり、もらった地図を確認しつつ尚且つ大通りを避けつつ、春日井家の玄関まではすんなりたどり着くことが出来た。
「ふぅ……着いた……」
安堵の声を漏らしているのは暁彦だ。
彼が向く玄関先には〝春日井〟と掲げられている。すぐ近くにはインターホンが取り付けられていて、暁彦はすぐにそのインターホンのボタンを押した。
ピンポンと音が鳴り、はぁいと声がすぐに返ってくる。陽香の声だ。
「春日井さん、七星です」
『お待ちしてました、みなさんご一緒ですか?』
「大丈夫です、ちゃんと連れてきました」
『すぐに開けますね』
インターホン越しに陽香が応え、暁彦もまた言葉を返す。そして一度声がぶつりと途切れたあと、今度は玄関の扉がゆっくりと開いた。
「さ、どうぞ?」
陽香はすぐに三人を家の中へと招き入れる。心なしか上機嫌にも見える彼女の後ろに暁彦、若菜、時臣と続いた。
小綺麗で落ち着いた家といった印象を抱きながらリビングへと通されると陽香がいそいそとキッチンの方へ引っ込んで行く。
「ゆっくりくつろいでくださいね」
やはり上機嫌な様子の彼女は、少し弾んだ声で言った。三人とも促されるままに椅子に腰を下ろす。若菜は緊張していて、それでいて別世界を見るような好奇心に満ち溢れた目で周りを見回していた。時臣もやはり緊張しているようだが、その本心つにあるのは恐怖に似た何かだ。それも漠然とした。いわゆる“敵に回したくない”というものである。
そんな二人の好奇と的外れな恐怖に、暁彦は苦笑した。温度差のある感情に囲まれて自身のそれは麻痺してしまったような何とも評し難い感覚。それを嫌いとは言えなかった。寧ろそれが心地良い。不思議な感覚だった。
「どうしたの? アキ」
ふと暁彦の様子に若菜が疑問の声を発する。しかしこの問いかけはネガティブなものを問うものではなく、親友の心なしか楽しげに見えるそれを問うものだ。
「うん? 楽しいなって思って」
こんな時に緊張感なくて申し訳ないけれど、と付け加えながら問う声に応える。苦笑いを浮かべるが、加えた言葉ほど申し訳なさそうではない。
「ま、いいんじゃねぇの」
今度は時臣が口を開く。その表情は穏やかだ。
「うん、そうだね」
ほんの少し口角を持ち上げて見せながら暁彦は感慨深げに肯定の言葉を返す。なんて事のないやりとり、しかし確かな関係を改めて確認できるそんなやりとりだった。
「お茶をどうぞ。お菓子もありますよ」
キッチンに姿を消していた陽香が、人数分のお茶とお茶受けとともに再び現れる。
三人は顔を見合わせると、陽香へ口々に礼を述べながら振る舞われるものに手を伸ばした。
問題は山積していて、そして状況は決していいものでもない。だが少なくともこの瞬間、この場に流れる時間は穏やかだった。