必然ではない邂逅(tnzn)※子孫出てきます

 隣街まで遊びに行こう、そう誘ってきたのは善逸からだった。炭治郎にとって善逸はひとつ上の先輩にあたるが、それを越えた友人関係を構築している。
 そんな善逸からの誘いを、もちろん無碍にすることも無ければ、寧ろ嬉々としてその誘いを炭治郎は受け入れたのだ。
 これから向かう隣街には大きな店が立ち並ぶ場所がある。炭治郎たちの住む街にも、そういった場所は存在しているが、彼らの年頃にあった店というと隣街の方が圧倒的に多かった。だからこそ善逸もわざわざそちらまで行こうと、誘いをかけて来たのだ。
 今回はどこへ行きたいのだろうか?
 そんなことを考えながら、待ち合わせる。炭治郎が到着してややもなくやって来た善逸と、電車に揺られあっという間に目的地だというショッピングモールへとやって来た。
(やっぱりここか)
 あまりにも想像通りだった目的地に、炭治郎からは堪らず笑みがもれる。
「なんだよ、炭治郎」
「いや? ここに来るんだろうな、と思っていたからついな」
「ふん、どうせ俺はお決まりなことしか出来ねぇよ」
 鼻を鳴らしずんずんと先に進んで行ってしまう善逸を慌てて追いかけながらも、やはり炭治郎の表情はその様子からつい緩んでしまっていて、それを察しているからか向こうは振り返ってすらくれない。
 そんな二人の目の前を横切ろうとする、年格好のさほど変わらない二人組がいた。
 まるででこぼこな二人の身長差は、側から見ると喋るのも大変なのではと心配に思えてくる。だが本人たちは取り立てて気にもとめていない様子で、言葉を交わしていた。
 次の瞬間、小柄な方の少年と善逸の視線がぶつかる。二人の瞳はみるみる見開かれて、少年の方は爛々と目を輝かせて後ろを振り返った。
「善照くん! そっくりだよ!」
 善照と呼ばれたこの場で一番長身な彼は、気倦げな視線を連れの少年と善逸、そして炭治郎へと向けている。そのうちぎょっと目を見開いたかと思うと、連れの少年の背中に隠れ――実際は体格差により隠れられてはいないのだが――しがみついた。
「そっくりていうか、身長と髪の毛以外ほぼ一緒とか、気持ち悪過ぎでしょ! 向こうの人は炭彦にそっくりだし、何これ! 怖い!」
 その様子に、今にも叫び出しそうな勢いで炭治郎にしがみついていた善逸が、ぴたりと動きを止める。炭治郎は叫ぶ善照としがみつく善逸を交互に見つめて、苦笑いした。